【ハンドレッド――《ヴァリアント覚醒》】
【第四話】
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にモテモテなのが、気にくわないんじゃないかな」
そんなエミールの指摘に、目を吊り上げて顔を真っ赤にしながらレイティアが――。
「お、おい、お前! 余計な事を言うなっ!」
若干狼狽えたレイティアだったが、エミールは笑顔で謝る。
「えへへ、ごめんごめん。って――次は僕かカーマインが呼ばれる番だね」
「あぎゃ、どっちでも良いさ」
二人のやり取りの最中、リディが読み上げた名前は――エミール・クロスフォードだった。
「どうやら僕だったようだね」
エミールが舞台に向かって歩き出すと同時に巻き起こる黄色い歓声。
「凄いな……」
思わずそう呟くハヤトに、戻ってきたばかりのフリッツが口走る。
「何を言ってるんだ、お前の時が凄くなるに決まってるぜ。カーマインには悪いが、それだけ噂されてるからな」
「あぎゃ、誰がどう噂されようが俺様は俺様だ。俺様が願うのはこの堅苦しい式典からの開放だけだぜ」
戻ってきたフリッツに、そう告げるカーマイン。
ともあれ巻き起こる歓声はフリッツならば「カッコいい」という声が上がり、エミールは「可愛い」という声が上がっている。
そんな歓声の最中、呼び上げられる【カーマイン・ヴァンヘルム】の名前。
「あぎゃぎゃ、俺様の出番だな」
立ち上がるカーマイン、それと同時にフリッツやエミール同様の歓声と拍手が講堂に響き渡る。
「へっ……悪くねぇな。だが野郎の嫉妬みたいな視線はうぜぇ」
壇上へと向かうカーマインに向けられる男の眼差しの大半は敵視及び嫉妬のものだ。
反応値自体は平均より上のカーマインだが、その潜在能力の高さからか初期反応値が改竄されたのはここだけの話である。
「カーマインの歓声、凄いね」
「けっ、女の歓声だけなら俺様ももっと気分よくいけるんだがな」
花道の途中で擦れ違うエミールとカーマインの会話、直に教壇の前へと辿り着く。
「ようこそ、リトルガーデンへ。カーマイン・ヴァンヘルム、貴方が武芸者として活躍する日を期待しています」
「あぎゃぎゃ、その期待なら直ぐに応えてやるさ。何せ俺様は最強だからな」
「……随分自信があるようですね」
そう言って値踏みをするようにカーマインを見つめるエリカ・キャンドル。
リディに至ってはそんなカーマインの言葉に表情が険しくなった――だが、それはほんの一瞬の事だった。
バッジを受け取ったカーマイン、教壇を降りる前に如月ハヤトの名前が読み上げられるや、カーマインやフリッツとは違ったざわめき、どよめきが講堂を埋め尽くす。
花道で擦れ違うハヤトとカーマイ
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