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ソードアート・オンライン オルタナティブ アナザーハンドレッド
02
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方がきぃきぃ喚くとアスナは無言でそれを無視して俺達の方へと向き直り頭を下げた。
「ごめんなさい。うちの人たちが迷惑をかけたようね」
「あ、えっと…」
俺が返事をしあぐねていると、先程の女の方が顔に皺を寄せて俺を睨む。
おお怖い。
「副団長!何をしているんです!あなたが頭を下げる必要なんて…」
「黙りなさい」
冷徹なその響きが辺りを貫く。
そのおかげで俺の頭も冷静さを取り戻し、ようやく返事をすることができた。
「確かにアスナは悪くないよ。かと言って二人が悪いわけでもない。敢えて言うなら問題があるのはまだどこのギルドにも入っていない俺達の方さ」
俺がそう言って肩を竦めるジェスチャーをすると顔を上げたアスナ
がプッと吹き出してクスクスと笑い始めた。
「」
「あ、ああ」
本当は「なにが?」と惚けようととしたがこの場には適しているとは思えなかったのでやめておいた。
アスナは更に一歩進んでユーリの隣に立ち、耳元で「あなたにも申し訳ないことをしたわね」と言ってユーリから離れ、部下を引き連れて酒場へ戻っていった。
「さ、俺たちも参加…って…ええっ?」
振り向くとユーリのその頬には瞳から溢れる雫が滴って軌跡が出来ていた。
「どうしたんだよ」
使うと耐久値の減少する普通のハンカチでユーリの涙を拭う俺の瞳をじっと見つめるユーリがまだその光る珠をポロポロと溢しながら言った。
「どうして、どうして僕達が悪いの?なんでギルドに入らなきゃならないの?…僕にはどうすればいいのかわからないよ」
これにはどう答えたものか。
選択肢は幾つか存在する。
だが…
「ユーリ。ユーリはどうしたいんだ」
これは俺だけの問題じゃない。
彼女に、彼女自身に選ばせる必要がある。
「僕は…」
ややつまった返事の後に明確な考えを彼女は示した。
「僕はキリトといたい!いつまでもいつまでも。ずっと一緒にいたい」
幾つかある選択肢のうち、どれを取るとも選べなかった自分に対しユーリは単純明快な答えを持っていた。
特に考えてもいなかったが、ユーリにこう言われることで自分もそれは同じだと気づかされる。
どうやら俺はユーリと一緒にいることが当たり前過ぎてそういう気持ちを忘れていたらしい。
「ありがとな、ユーリ。それは俺も同じだ。この話は二人でまたゆっくり考えような」
「うん」
先程とは違う柔和な笑みを溢しながら、その瞳から一筋の粒が流れた。
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