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ソードアート・オンライン オルタナティブ アナザーハンドレッド
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メールの着信音が鳴り響く。
「あー!インスタントメールだー!」
明らかな棒読みをする彼は僕の拘束を逃れて部屋の外に飛び出した。
「ちぇっ。かずとへの気持ちが何なのか確認しそびれちゃったな」
その独り言は誰にも掴まれることもなく、窓辺から心地よく風が舞い込む月明かりの夜に消えた。
「僕は本気だったのにな」
そう呟きながら彼の温もりが残るベッドに顔を伏せていた。
ドアが開く音がしてそちらをちらりと見ると彼の顔には血の気が無く、蒼白な顔に珠のような冷や汗が浮かび上がっていた。
「え、どうしたの」
戸惑う僕の質問に彼は途切れ途切れに答えた。
「ラフコフが…動き出した…みたいだ」
「!?」
その単語に反応する僕の体は血液が失せていくようにゾクゾクと背筋を波打つ。
「今からアスナと会うからユーリも来てくれ」
何故そこで結盟騎士団の副団長が出るのかは分からなかったが、先程のインスタントメールの相手がアスナだったんだなと理解し無言で首肯する。
「その前にショップで色々買い足しておこう」
その言葉の意味がよく分からなかったが後に従っておいてよかったと心から思うことになる。
索敵スキルを使いつつ、隠蔽(ハイディング)して酒場まで行くと、そのドアの前では数人の白と赤の服装をした集団がたむろしていた。
その中の一人の女性の背後に忍び寄り、後頭部あたりに向かって囁く。
「なんでこんなに大所帯なんだよ」
「ひあっ!」
という悲鳴と共にバックステップに次いで腰に備えたレイピアを引き抜いた結盟騎士団副団長殿ことアスナにつられて他の数人が身構えると同時に険しい表情で剣を抜く。
「あ、えっと…悪い。俺だ」
最強集団であるKOB(結盟騎士団)のエリート数人から殺意を向けられれば萎縮してしまうのも無理はないと自身を納得させつつ、彼らを刺激しないように一歩引く。
「なんだ、ブラッキーか」
とそのうちの一人である確か…クラディールだったかな…が剣をしまったのを境にして、全員の表情が僅かに緩む。
一人を除いて。
「キぃーリぃトくぅーん?」
いつのまにか眼前に迫ってきていたアスナは見るからに不機嫌そうな表情の上に青筋を浮かべていた。
「や、やぁアスナ。久しぶりだな」
「昨日のボス攻略戦で会ったばかりですが何か」
「い、いえ。なんでも」
「よろしい」
一連の流れをポカンとした表情で眺めているユーリをちらりと見てからアスナに向き直り「それで」と話の流れを本題に持っていく。
「この人数はなんだよ。まさかお前の護衛とかで更にはヒースクリフまでいたりなんか…」
「私がどうかしたのかね、キリトくん」
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