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ソードアート・オンライン オルタナティブ アナザーハンドレッド
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第76層、アークソフィアに来てから、かれこれ半日ほど経っただろうか。
あの後、キリトたちから逃げてきて、いつの間にか宿をとり、【処理】をしたあと僕はどうやらそのまま寝てしまったらしい。
【処理】を重ねた左腕が、ゲームの中では感じないはずの痛みを訴える。
なぜ、未だに続けてるのか自分にも解らなかったがやりきれない辛さが僕をそこへ追いやった時に、気付けば【処理】を終えた左腕がそこにある。
そんな感じだった。
半日経った今でも宿屋の周りは騒がしく、僕の暗転した思考をイライラさせる。
ここで半ば無理矢理思考をポジティブにして、敢えて外に出ようと考え、簡素な下着だけで寝ていたので、その上にこれまた洒落っ気もない私服で宿屋にコルを支払ってから退室する。
今は現実世界同様、冬なので周りも当たり前のように長袖なので左腕が違和感なく隠れるのはありがたい。
宿屋から一歩出たところで見知った背中を見つけた。
引き返そうか悩んでいると、僕の気配に気付いた(あるいは索敵スキルが働いた)のか彼が「ん。」と喉から声を上げて僕を見たあと、続けて言う。
「やぁ、ユーリ。ちょっといいかな。」
そう言われて広場のベンチに腰掛けさせられ、「ちょっとここで待っててくれ。」と言って僕の返事を聞くことなく彼は雑踏の中へ走り去ってから10分近くが経過していた。
帰ろうかな。第一、一番会いたくなかったのに。と考えたところで声がかかる。
「お待たせ。ん。」
と言葉少なく、彼は新層解放のお祭りでプレイヤーが出している露店で僕の好物をいつ調べたのか、たこ焼きを僕に向けて差し出した。
多分たまたま差し出したのがたこ焼きだったのだろう。
何故ならその後、ホントにそれ片腕で持ってきたのかと疑いたくなるほどの露店販売B級グルメ(それは食べられるのか?と思うような珍怪なものを含む)をどばどばとベンチの上に広げた。
「まずは腹ごしらえからだな。」
と言うと、ものの数秒で焼きそばを完食した彼が次の瞬間にはホットドッグのようなものに手を伸ばしていた。
「ん?食わないのか?」
とキリトが僕とたこ焼きを交互に見ながら問いかけたので僕は答えた。
「ごめん。今、食欲ないんだ。ほんとにごめん。」
「そっか。わかった。」
ん?なにが?という疑問が起こるのとほぼ同時にキリトは瞬間移動もさながら、僕の目の前に顔を近付けていて、一瞬で僕から箸を奪い、
「食え。」
といって、閃光のアスナも顔負けのスピードで僕の口の中へ何かを押し込んだ。
「ふぁっつ、ふぁっ、ふあっついよキぃト!」
物凄い熱さに驚いてむせそうになるものの、我慢してはふはふと口の中で冷ますとソースの甘い香りが口の中で広
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