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ソードアート・オンライン オルタナティブ アナザーハンドレッド
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スナが唱えるのが聞こえた。

アスナは続けて、キリトの足を凪ぎ払い、柔道技のように見える何かの技で彼を地面に押し付けながら言った。

「もう、いいでしょ。」

悔しそうに喘いだあと、キリトがそれ答えた。

「ああ。アンタは正真正銘、血盟騎士団団長の神聖剣ヒースクリフだ。」

その言葉を聞いてアスナが「ふぅ」と安堵したように吐息を漏らし

「団長。」と言いつつ、きつく結んだ唇を表情に交えながらヒースクリフの眼を見た。

「では、キリトくん。君は今日からKOBの一員だ。」

団長がキリトに手を差し伸べるが彼はそれを拒否し、尻をはらって立ち上がる。

それに何を思っているのか無表情な団長が声を上げる。

「ここにいる全員に私から頼みがある。」

団長の言葉にボス部屋中がざわめく。
かれらの動揺に答えるべくヒースクリフは穏やかに告ぐ。

「皆にはこの場でのことは黙秘して頂きたい。今日の私や彼の戦闘を見た上で文句のある者はいるかね?」
全員が黙ってシンとしているのを確認して頷いてから続けて言った。

「この噂を広める者があれば容赦はしない。」


そう言って団長はこの場を解散さ せ、ボス部屋のアクティベートを先程のクラインたち、風林火山に任せてキリトに告げた。

「君の力、二刀流を是非とも頼みにさせていただきたい。」

団長が、アスナから解放されて座っているキリトに手を伸ばす。

「どうせ、それも命令になるんだろ。」

と皮肉を述べるキリトに対して団長はあくまでも穏やかに告げる。

「無論だ。」と。






第76層 アークソフィア






スカルリーパーを倒したあと俺達は ボス部屋をあとにし、第76層、アークソフィアへと足を踏み入れた。 アークソフィアの建物は西洋の造りをしていて、それでいてどこか懐かしい。

「あ、そっか。第1層の始まりの街に外装が似てるからか。」

勝手に納得して独り言のように呟くと、隣から声があがる。

「ホントだねぇ。なんだかあの頃を思い出しちゃうなぁ。」

感慨に耽っているのか、連続で色々 な思い出を掘り起こしているのか、憂鬱、苦しみ、憎しみ、悲しみ、哀 しみ、怒り、そして最後に喜びの表情をしたアスナがこちらを向いて言った。

「なにはともあれ、君と出会えたことに感謝しなくちゃね。

このソードアートオンラインには。」

一瞬狼狽したのちに、アスナの言葉にどう返事したものかと思考を巡らせてから答える。

「そ、それはそれは。有り難きお言葉。ご光栄でございまする。」

冗談めいた返事に彼女はクスッと笑い、「まるで平安時代の人だね。」と、ややもズレたツッコミに俺は苦笑せざるを得なかった。


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