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ソードアート・オンライン オルタナティブ アナザーハンドレッド
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キリト、君は充分過ぎる程に強い。
僕なんかじゃ足下にも及ばないくらいだ。
僕なんか血盟騎士団に入らなければ、既に剣を放っていたかもしれないというのに。
自嘲の苦笑を浮かべると、遠くで唇を尖らせたアスナが「なに話してたの?」と言うとそれに対しキリトが「な、なんでもないですよ。アスナさん。そう、なんでも。」という対話が聞き取れた。
キリトは何も変わらない。
変わったのは僕の方だ。
あの時、あんなことが無ければ、僕はキリトとコンビでここまでたどり着いていたかもしれない。
先程のように心配はしてくれるものの、彼はほとんど気付かない範囲で僕を避けるようになった。
あんなことがなければ。
キリトがふともう一人のユニークスキルを持つ剣士、神聖剣ヒースクリフを一瞥したのに気付いた。
釣られて自らも団長を見ると、団長のヒットポイントはイエローゾーン(約50パーセント)にすら届いていなかった。
団長の噂は絶えることはないが、最も有名な噂の一つが彼のヒットポイントバーがイエローゾーンに突入したのを誰も見たことがないというものだった。
刹那。
キリトが団長に向かって全速力で駆け出すのを見た。というより感じた。
一瞬の出来事に何が起きたのか解らなかったが、団長にキリトよりかなり近い距離にいた自分の体を二人の間に滑り込ませ、キリトが抜いた獲物を自らの片手直剣で受け止め、鍔迫り合いになったところでハッと自分の意識が戻る。
「くっ…。」
意外な邪魔が入りキリトは動揺していた。
「これはどういうことかな?」
団長の冷たい視線が僕の背筋を貫通してキリトを睨むが、臆した様子もなく黒の剣士は答えた。
「いいや、ただの勘違いだといいんだがな。俺にはアンタがこの世界の創造主と被って見えるね。」
僕の剣と重なった彼の剣がギリギリと軋む。
「ほぅ。かの茅場氏と私が…ということかな?」
その言葉に対しキリトが頷く。
団長が2、3秒程の沈黙の後に彼に問いかける。
「何を根拠に君は私と彼を重ねて見たのか、興味深くはあるが…残念だが物語はそう簡単にいくものではないよキリトくん。」
「そうか。ならいいんだがな。」
そう言って剣を己の背中にしまい、付け加えてこう言った。
「それなら…すまないが証拠を見せて欲しい。アンタのそのグリーンゾーンのままのHPバーが何を語るのか。」
団長は嬉しそうに笑みを溢し、血盟騎士団副団長であるアスナを呼んだ。
「アスナくん。君にお願いしよう。私を刺したまえ。」
「えっ…」
意外な発言にアスナは息を飲む。
「き、危険過ぎます団長!」
「私が死なない手加減の調整くらい、君なら出来るはずだ。」
「しかし…
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