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ソードアート・オンライン オルタナティブ アナザーハンドレッド
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辺で。って、10分後に向こうで会うんだけどな。」

ははは。と軽快に笑う相手に僕もつい頬を緩めてしまう。

「ふふっ。あぁ、うん。じゃあ、また後で。」

そういって通話を切ったあと、お手洗いを済ませ、歯を磨き、麦茶で喉を潤し二階の自室に戻ると、机の上の電子時計は12時59分を示していた。





そして時は二年後へ。

第一章

喉が酷く掠れていた。

ジュース代わりにレモンジュースと緑茶を混ぜたような味のするハイポーションを飲み下し、先程から腰を下ろしていた地面に寝転ぶ。

今いるこの場所は、第75層のボス部屋で、つい数分前にこの部屋の主である【スカルリーパー】の討伐に成功したところだ。

偵察組と合わせて死人の数々は20人。

前の層での被害は、アインクラッド解放軍の中佐と部下二名のみと聞き及んでいたが、今回は被害が大き過ぎた。

利己的な軍を除くと死人がでたのは第68層のボス戦の時以来だった。

スカルリーパーは巨大な鎌を両手に携え、いかにもというような骸骨ドクロ、そう、ガシャドクロというに相応しい面で、鯨並みに長い骨だけの身体の横から何十本、何百本という骨の脚をつきだしていた。
例えるならムカデといったところだろうか。

最前線の攻略組のハイレベルを持ってしても、その鎌がプレイヤーの肉体を穿った瞬間、HPバーが一撃で消し飛ぶ。

何故そんな相手に勝つことが出来たのかといえば、なんといっても、ユニークスキルを持つ二人と、閃光の二つ名をもつ少女の力が大きいだろう。

彼らが鎌を自らの刃で受け流す、或いは盾で防いでいる間に僕たちが横からソードスキルを叩き込む。

それを繰り返し、小一時間でようやく敵のHPバーを残らず削り取ることに成功した。

よくもまぁ一時間も集中力がもつものだ。同じ人間とは思えない。

と感慨を抱くほどに彼らの戦いぶりは他を逸していた。

その三人のうちの一人、エクストラスキル、二刀流の唯一の保持者であるキリトがこちらへやって来て僕の肩に手を置いて、

「お疲れさん。大丈夫か?」

と僕を気遣ってくれる。
それほど酷い顔をしていただろうか、と一瞬頭を過ったが、慌てて否定する。

「ぼ、僕は大丈夫。でもキリトは相変わらず凄かったね。」

と僕が無理矢理作った顔で微笑むと、

「アスナのおかげでなんとかな…。」

と控えめに苦笑して続けた。
「そんなことより、今回の被害は大きすぎる。恐らく彼らも十分な安全マージンをとってたはずだ。にも関わらず、ただの一撃で…」

そこまで言うと後ろを振り返り僕から顔を背けて呟いた。

「もっと強くならないとな。」

そう言って再び黒の剣士は閃光のアスナのもとへ歩いていった。


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