エイプリルフール番外編 【シンフォギアXD編】
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」
一瞬、カルマノイズから何かが抜けて行ったような…?気のせいかな。
カルマノイズを打倒した翼と奏が降りてくる。
ライブ会場は凄惨な有様だが、人的被害はゼロ。まずまずの結果だろう。
「翼」
「なに、奏」
「翼と二人で唄う歌は、やっぱり楽しかった」
「うん…わたしも」
「やっぱ翼はスゲーやつだよ」
「そんな事ないよ。奏の方が」
「ううん、翼はすごい。翼は…あたしと同じような立場になっても歌を忘れなかった」
「それは…」
「きいて、翼。あたし、今日スゲー楽しかったんだよ。唄う事の楽しさ。思い出させてくれてありがとな」
そう言って奏は寄り添っていた翼から離れる。
「あたし、もう一度歌ってみるよ。あたしの翼に言われたように、歌う事を忘れない。だから…だから翼、さよならしよう」
「か、奏…?」
奏の言葉に涙がにじむ翼。
「笑って、翼」
「そんな、どうしてそんな事言うの?ようやく会えたのに」
「うん。あたしも翼にまた会えて、すごく嬉しい。でも、今の翼の居るべき場所はあたしの片翼じゃないだろ」
そう言って奏が視線を向けた先には響達が手を振っていた。
「翼さーん」
「翼ー」
翼はそれを見止めて再び奏を振り返る。
「あ…」
「だから翼。笑ってさよならしよう」
「奏はわたしに意地悪だ……」
そう奏の言葉に返した翼の眼からは止まることなく涙が流れ落ちていた。
「翼」
「うん、分かってる、分かってるのに…涙が止まらないよ」
奏は翼に手を伸ばしそうになって…引っ込めた。
「あたしはもう大丈夫。大丈夫だから、もうヤケになったりしない。周りの…二課のみんなも支えてくれている」
そう言ってはにかむ奏。
「あたしはこれからも…ずっと歌っていくから…だから…翼…バイバイ」
にぃっと笑ったその奏の笑顔は、しかしやっぱり無理をしていたが、輝かしいものだった。
「うん…バイバイ…奏」
翼もどうにか笑い返していた。
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