第23話『銀閃と鬼剣のクロスコネクト〜再戦のドナルベイン!』
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ぶりには驚かされたが、不可解な点も同時に感じていた。
傭兵稼業という職業柄、ドナルベインとかいう野盗下がりの元傭兵は、いくつもの戦場で見かけたことがあった。
同業者として力比べを試したことがあったが、とりわけ秀でた点があるわけでもなかった。
要するに、ヒトのいない不自然な戦場を埋めてくれる『背景』の一人というのが、フィグネリアのドナルベインに対する見解だった。
しかし、今のドナルベインはまるっきり違う。
『背景』どころか、『原作』背景を崩す『一線級人物』じゃないのかと思えてしまう。
そんなフィーネの考え事を他所に、相変わらず凱とドナルベインの、寄せては返す波打ち際のような攻防は続いている。
いたちごっこの光景に空いたのか、余計一切無言なシーグフリードにしては珍しく饒舌になって語り始めた。
「お前たち、チートという言葉を聞いたことはあるか?」
「……ちーと……ですか?」
「それが今の状況と何の関係が?」
聞きなれぬ言葉にティッタはカタコトでつぶやき、フィーネはそれとの関連性を求めて返事した。
「ある業界用語で『不正』や『騙す』といった意味合いで使われる俺たち東大陸の言葉だ。かつて格式ばった代理契約戦争に飽いていた研究者が、気分転換娯楽性を持たせようとして、意図的に組ませた技術らしい。その中で研究者が好んで使っていたチートは『能力改造』だった。より多くの戦争参加者を募る為にな」
「戦争に娯楽性……まるで『王』や『神』が考えそうなことね」
半分正解だ――とシーグフリードは胸中でフィーネを評価する。
代理契約戦争という管制端末たるヴァルバニルは、まさに『王』・『神』・『獣』・『魔王』・『機械機構』・『実験台』・『竜』と、複数の固定身分名称を持っていた。フィーネの言い示す王や神は、まさしくその通りの存在だった。
黒き邪竜たるヴァルバニルには、人間を異形の悪魔へ変える『死言?プログラム』を網羅していた。故に『神』は口元が狂い『事故』という形で人を死なせる。お詫びと言わんばかりに悪魔契約を唱え『悪魔』へ転生させ、
阿鼻叫喚の戦場という死後の異世界に放り込む。好き勝手に暴れて来いと。
その過程で研究者は一つ手を加えた。
あらかじめ死言が刻まれている心臓に細工を仕掛け、悪魔転生時に操作介入できないかと。
対ヴァルバニ
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