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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
第23話『銀閃と鬼剣のクロスコネクト〜再戦のドナルベイン!』
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(凍り付いたドナルベインの表情を見ると、まさに図星のようだな)



凱の放つ洞察の(やじり)は、確実にドナルベインの心中を射抜いた。対してドナルベインは硬直して口すら開けない。



シーグフリードが推測した内容は、おおよそ凱と同じ内容だった。



斬撃ひとつひとつとっても、いざというときの筋肉の張りと『相手を倒そうとする』気迫がない。



瞬足機動を維持するための体制保持もバラバラだ。凱の放つ銀閃の太刀を捌く技術力も感じない。



加えて、概には単純に能力だけ上げたことを見透かされた。



決定的な劣勢感を振り払うようにドナルベインは吠える!



「……だが!オレ様が貴様を上回っていることは事実だろうが!」



焦りを誤魔化すために、『現状』を叫ぶドナルベイン。しかし、凱の発言は正鵠を射ていることには変わりない。



「おい、ドナルベインとか言ったな」



銀髪鬼シーグフリードは嘲弄する。はたから見ればみっともない口喧嘩だ。



「勝ち誇りたいなら、目の前のそいつに勝ってからにするんだな」



勝利以外にチートなしの『潔白』を証明する手立てはない。その言葉を口火にして、両者は再び『神速』の領域に飛び込んでいった。



やがてドナルベインは気づくことになる。



規格外能力(チート)がもたらした恩恵とその代償(ペナルティ)を―――――



―――――◇―――――◆―――――◇―――――



「シーグフリードさん、ガイさんがなんだか危ないですよ?助けてあげないんですか?」



劣勢と思われる凱の様子を見て、金髪の青年ノアは何の感情もなく隣のシーグフリードに尋ねる。



「馬鹿を言うな。ノアこそよく『観察」してみろ」



顎でくいっと景色を指すシーグフリード。そしてフィグネリアもティッタも揃って視線を向ける。



「うん?紙一重の差でよけ続けていますけど、あれじゃやがてドナルベインさんにつかまっちゃいますよ?」



「どあほう。あの紙一重を既に何回避けているかわかるか?100太刀中すべてかわしている。とてもまぐれで言い切れる数字じゃない。ガイのやつ、やはりテナルディエの視線が気になって竜技(ヴェーダ)竜舞(ヴェーラ)も繰り出せずにいやがる。控えている――ノアやテナルディエとの戦いに備えてな」



「シーグフリードさん、そうだったんですか?僕はてっきり押されてるばかりだと」



言われてみれば、あれから凱は回避行動に徹しているものの、追い詰められた状況には見えない。



一方、フィグネリアもドナルベインの豹変
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