第23話『銀閃と鬼剣のクロスコネクト〜再戦のドナルベイン!』
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ウ=ガイ!」
深き夜の大気を乱暴に打ち破り、凱の元へ空中降下を果たした獰猛類は、既に臨戦態勢を整えていた。
「お前は……ドナルベイン!あの女の子の母親を殺めた張本人か!?」
凱の表情に二つの憤怒の色が濃く浮き出る。
勇者は無意識に歯を食いしばる。その主な理由――。
一つは、ドナルベインという魔盗賊の悪魔的所業の存在。
二つは、ドナルベインを生かしてしまった結果、間接的に母親の命を奪ってしまった――自分自身への――怒りだった。
アリファールを握りしめるグリップにも、無意識に力がこもる。
「あの女は愚かにも『燃える水』を盗もうとした!その責めを負わせるために、オレ様自らが処刑したのだ!」
実際には手傷を負わせただけにすぎず、手負いと化した母親は少女を抱いて深い森へ逃走を図った。そこをドナルベインの部下に追われていた。
アルサス領内のユナヴィール村にまで武装集団が追跡してきたのは、娘を守って命を落とした母親とその少女にとっては最大の不幸であった。
だが、同時に凱やシーグフリード、フィグネリアという超戦力がユナヴィ−ルへ辿り着いたのは最大の幸運でもあったのだ。
「――そんなことの為に……手をかけたというのか!?」
「当然だ!そしてそこにいる『娘』も後を追わせてやるぞ!」
ふいに、ドナルベインと『少女』の視線が合わさる。
獲物と認識された少女は恐怖に顔をゆがめる。
記憶の掘り起こされる感覚。目の前で斬られた光景。
少女に焼き付いた記憶は、無垢な心を構わず炙る。
生々しく甦る、お母さんの最期。
「いや――――」
恐怖。悲しみ。何よりお母さんの命を奪ったこの男が憎い。
だが、幼い少女の手ではナイフを突き出したところで、かすり傷一つ負わせることすら叶うまい。
そんな少女をティッタは力強く抱き寄せる。
心配しないで。ガイさんがきっと助けてくれると、侍女は言葉ではなく行動で告げて。
アルサスを取り戻してくれるって!
「二人とも、私から絶対に離れるな」
そんな少女とティッタにフィーネは庇うような動作で寄り添う。あたかも外敵から雛鳥を守らんとする『隼−オヤドリ』のように。幾多の戦乱を潜りぬけてきた愛刃が二つと並び、それは翼を広げて威嚇する猛禽類を思わせた。
魔王と相対する勇者にこの依頼を託されたのだ。ここでかすり傷一つ負ってしまうようなら、職業傭兵ありえない。
成人女性の腰回
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