第二十一幕:ふたつの虹のふたつの夢
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っ☆」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
直弥「七夏!」
七夏「あ、お父さん! お母さんとのお話はすんだの?」
凪咲「ナオね! 運転士さんになれるんだって!」
七夏「え!?」
直弥「今度の日曜日に、蒸気機関車を運転できる事になったんだ!」
凪咲「列車の展示イベントで、ナオが運転するのよ♪」
七夏「本当・・・なの!?」
直弥「もちろん! だから、七夏も見に来てほしい!」
七夏「わぁ☆」
時崎「よかったね! 七夏ちゃん!」
七夏「はい♪」
直弥さんの視力の適性問題で、運転士になる事は難しいというお話を聞いたばかりなので疑問が残るが、ここでその理由を訊くのは無粋だ。皆が幸せそうにしているのなら・・・。
七夏ちゃんと凪咲さんは展示イベント当日は、民宿をお休みにするらしい。俺もその展示イベントに興味を持ったので、参加させてもらえないかお願いをしてみた。
凪咲「まあ! 柚樹君も来てくださるの?」
時崎「ええ! とても面白そうですので是非! それに、七夏ちゃんの写真の件もありますから!」
凪咲「ありがとうございます!」
直弥「時崎くん!」
時崎「はっ! はいっ!」
直弥「踏切の設置、七夏を手伝ってくれたみたいでありがとう!」
時崎「いえ、俺も楽しめましたので」
直弥「よろしければイベント当日、凪咲と七夏の事、よろしくお願いします!」
時崎「こ、こちらこそ!」
直弥「では、失礼いたします!」
時崎「はい!」
その場を立ち去る直弥さん・・・が、こちらに振り返る。
直弥「凪咲!」
凪咲「え!?」
直弥「僕はまだ諦めてないよ! 運転士として、凪咲と列車旅!」
凪咲「まあ!」
そう言い残して直弥さんは自分の部屋へ向かった。
凪咲「・・・ナオ、運転士になりたいっていう夢・・・諦めてなかったのね・・・」
時崎「七夏ちゃんのお父さん、芯が強い人なんですね!」
凪咲「・・・うぅ・・・ご、ごめんなさい・・・」
七夏「お、お母さん!?」
・・・凪咲さんは、よほど嬉しかったのだろう・・・。
<<凪咲「・・・でも、七夏は今でもナオが運転士になれたらいいなって思っているみたい」>>
さっき凪咲さんが話していた言葉・・・凪咲さんも七夏ちゃんと同じく、直弥さんの夢を誰よりも応援している事が伝わってきた。
俺は、凪咲さんが自分の部屋へ向かうよりも先に、一礼をして、そのまま自分の部屋へと移動した。
夢を追いかけ続けている事・・・それが人として最も輝いていると言える。夢を達成してしまったら、その先には、一体どんな事が待っているのだろうか・・・。
「ふたつの虹」を追いかけて・・・追いかけている今が、最も充実しているのかも知れないと思うのだった。
第二十一幕 完
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