第二十一幕:ふたつの虹のふたつの夢
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慌てた様子で一体どうしたのだろう!? 見たところ、飲み物は持っていないようだ。
時崎「な、七夏ちゃん!? どうしたの!?」
七夏「えっと、れ、冷蔵庫の中にっ!!」
時崎「冷蔵庫の中!?」
思い出した・・・七夏ちゃんが目がないというあれだ。こんなに慌てて、まさかここまでとは・・・。俺はちょっと知らないふりをして様子を見る事にした。
七夏「は、はい! ちょっと一緒に来てくれませんか?」
時崎「あ、ああ」
七夏ちゃんと一緒に台所の冷蔵庫の前に来た。七夏ちゃんは冷蔵庫をそっと開けて・・・中を覗いて・・・そして勢いよく閉めた。
時崎「な、七夏ちゃん!?」
七夏「ゆ、柚樹さん! やっぱり中にあります!!!」
時崎「中に!?」
俺は、冷蔵庫を開けて「ブルーベリーのタルト」を取り出した。
七夏「ゆ、柚樹さん! そ、それ!!!」
時崎「これ? 七夏ちゃん喜ぶかなって思って!」
七夏「ど、どおして!?」
時崎「街で見かけて、美味しそうだったから!」
七夏「・・・・・そ、それ・・・と、とっても美味しいです!!!」
時崎「そう! じゃ! はい! 七夏ちゃん!」
七夏「え!? えー!? い、いいの?」
時崎「もちろん! その為に買ってきたから!」
七夏「わぁ☆ ありがとうです!!!」
時崎「喜んでくれて良かったよ!」
七夏「はい☆ あ、ごめんなさいっ! 今、お茶を用意・・・あっ、紅茶の方がいいかな?」
時崎「七夏ちゃん! ちょっと落ち着いて!」
七夏「はい☆ すみませんっ!」
まさか「ブルーベリーのタルト」で、七夏ちゃんがここまで取り乱すとは思っていなかったけど、とても可愛い一面を知る事が出来た。これは天美さんに感謝だな。
七夏「柚樹さん♪ 本当にありがとうです☆」
時崎「いや、こっちこそ、いつもありがとう!」
七夏「これ、とっても高価ですから、ほしくても、お小遣いではなかなか買えなくて・・・」
時崎「そうなんだ」
確かにこの「ブルーベリーのタルト」は、七夏ちゃんくらいの歳の女の子のお小遣いからすると、高価な食べ物だと思う。俺もひとつしか買わなかったからなぁ。
七夏「柚樹さんと半分ずつです♪」
時崎「え!? 俺はいいよ。七夏ちゃん、好きなら全部食べていいよ」
七夏「七夏ね♪ 柚樹さんと一緒に半分ずつがいいな♪」
時崎「そ、そう・・・」
・・・七夏ちゃんの希望に従う事にする。その表情から遠慮しているようには見えなかったから・・・。ん? 今、七夏ちゃん自分の事を「ななつ」と話したな。これは、どういう事なのだろう? 初対面の時以来の事なので、どこか懐かしさを覚えた。
七夏「はい♪ 柚樹さん♪」
時崎「あ、ありがとう!」
七夏ちゃんは、ブルーベリーのタルトを半分
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