第二十一幕:ふたつの虹のふたつの夢
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関車のヘッドライトが点灯した。
七夏「柚樹さん☆ どうぞです♪」
時崎「え!?」
七夏「機関車・・・動かしてみてください☆」
時崎「あ、ああ!」
俺がコントローラーのつまみをゆっくりと回すと、七夏ちゃんも手を添えてきた。
時崎「な、七夏ちゃん!?」
七夏「くすっ☆」
七夏ちゃんと二人でコントローラーのつまみを回す・・・小さな機関車が力強く動き出した。
時崎「おっ! 動いた!」
七夏「はい☆」
七夏ちゃんの手の温もりが伝わってくる・・・とても心地が良い。
機関車がセンサーのレールの上を通過すると、踏切の警報機と遮断機が実物同様に作動し始める。
時崎「おおっ! これは本格的だ!」
七夏「本物みたいです☆」
機関車はそのまま踏切を通過し、その先のセンサーの線路の上を通過する。踏切の警報音が解除され、遮断機が上がった。
時崎「問題ないみたいだね」
七夏「はい☆ 良かったです♪」
時崎「七夏ちゃん・・・」
七夏「はい♪」
時崎「その・・・手・・・」
七夏「え!? あっ! えっと、ごめんなさい!」
時崎「いや、嬉しいんだけど・・・その・・・」
七夏「・・・・・柚樹さん、ありがとうです・・・」
時崎「これで、七夏ちゃんは図書券が貰えるね!」
七夏「はい☆ でも、殆ど柚樹さんが行ってくれましたから、この図書券は柚樹さんが・・・」
時崎「俺は十分楽しかったよ・・・だから、図書券は七夏ちゃんにプレゼントするよ!」
七夏「いいの?」
時崎「手も繋いでくれたし♪」
七夏「あっ!」
時崎「ん? どうかしたの?」
七夏「いえ・・・その・・・ありがとうです・・・」
時崎「じゃ、そういう事で!」
俺は、踏切セットの箱を片付けようとして、箱の裏に貼り付けられていた値札を見て驚いた。
時崎「た、高っ!!!」
七夏「ひゃっ☆」
時崎「あ、ごめん!」
七夏「びっくりしました。どおしたのですか?」
時崎「この踏切、細かくてよく出来ているなーと思ったけど、とっても高価な商品だったんだね」
七夏「・・・はい。ですから、私はなかなか手が出せませんでした。壊しちゃったら大変だなって思うと・・・」
時崎「ほんと、知らない方が良い事もあるよね」
七夏「くすっ☆ 幸せ・・・です☆」
時崎「え!?」
七夏「ありがとうございます☆」
七夏ちゃんがどういう意味で「幸せ」と話したのか・・・多分俺の話した事の指摘なのだろうけど、七夏ちゃんが幸せに思える事を、これからも考えたいと思う。
七夏「柚樹さん、もう少し繋いでみますか?」
時崎「え!?」
七夏ちゃんの言葉に心拍数が上がる。七夏ちゃんと手を繋げる事は素直に嬉しい・・・嬉しいのだけど・・・なんて考えていると−−−
七夏
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