第二十一幕:ふたつの虹のふたつの夢
[2/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
時崎「七夏ちゃんに『鉄道模型の事を知ってもらう為』だったね!」
七夏「あっ! はい☆ 本当は、お父さん、とても楽しみにしていたのですけど、私にお願いしたからって・・・」
時崎「七夏ちゃんも大変だね。色々と」
七夏「でも、いい事もあります!」
時崎「いい事!?」
七夏「はい☆ この踏切さんを設置できたら、ご褒美あります!」
そう言うと、七夏ちゃんは、お父さんの机の上に置かれていた、封筒を見せてくれた。その封筒には「七夏へ 踏切達成お礼 図書券」と書かれていた。
時崎「な、なるほど! さすが、七夏ちゃんのお父さん!」
小説好きの七夏ちゃんにとって「図書券」は魅力的な報酬だ。ここは、七夏ちゃんが喜んでくれるように俺も頑張ってみようと思う。
七夏「くすっ☆」
時崎「じゃ、早速、その踏切を設置してみようか!」
七夏「はい☆ よろしくお願いします☆」
時崎「えーっと、どこに設置するのかな?」
七夏「この辺りです☆」
七夏ちゃんが指差したところには既に線路が敷かれているので、先ずはこの線路を撤去しなければならないのかな。とりあえず、踏切セットの説明書を読んでみる。
時崎「なるほど・・・これは、なかなか本格的だな。しかも部品が細かい・・・」
七夏「柚樹さん、分かりますか? まず、ここの線路を外さないと・・・」
時崎「七夏ちゃん、この踏切は線路を外す必要がないみたいだよ」
七夏「え!? でも踏切さんには、線路があると思うのですけど・・・」
時崎「踏切本体には線路は無くて、既に敷かれている線路を使うみたいだよ」
七夏「では、この線路は・・・」
時崎「それは、センサーの役割をする線路みたいだね」
七夏「せんさー?」
時崎「恐らく、列車の踏切内への進入と脱出を検出する為の線路だと思う」
七夏「そうだったのですね☆」
時崎「そのセンサーの線路の方を、既に敷いてある線路と交換になるみたいだね」
俺は、踏切セットの説明書を見ながら、線路の工事を行った。七夏ちゃんはその様子を見ていたけど、複線のうちの一本を実際に七夏ちゃんに実施してもらった。後は説明書に書かれてあるとおり電気的な配線を行う。この作業を行ってみて、確かにある程度慣れていないと大変かなと思った。七夏ちゃんが実施を後回しにしていた理由が分かった気がする。
七夏「柚樹さん! ありがとうです! ようやく出来ました☆」
時崎「なんか、手伝いというよりも、遊んでいたみたいで申し訳ない」
七夏「そんな事はないです☆ 柚樹さんと一緒に出来てよかったです☆」
時崎「早速、動作確認してみたら?」
七夏「はい☆」
七夏ちゃんは、ヘラのような物を使って、機関車を線路に乗せる。以前にも見た光景だ。そして七夏ちゃんがコントローラーのつまみを少し回すと、機
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ