第七章 魔法女子ほのか
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full of treasure!!
♪♪♪♪♪♪
教室。
先生に怒られて、肩を縮めてしゅんとしている。
ひらひらと、画面の上から紙が落ちてくる。テストの答案だ。十点。
体育館。
低い跳び箱も飛べず、ガラガラ崩してしまう。
恥ずかしさに涙目、友達に慰められ、笑顔。
♪♪♪♪♪♪
君と一緒にいられるなら
どんなパワーだって出せそうだよ
なんにもない世界、上等
わたしと君で全部作れるから
偽物だって構わないでしょ
自分で見つけた宝なのだから
The world is full of treasure!!
♪♪♪♪♪♪
赤毛の少女、空を見上げる。
再び、青い空に「魔法女子ほのか」のタイトルロゴ。
曲、フェードアウト。
3
山と、海と、澄み渡る青空。
細い坂道、ガードレール越しに、きらきら光る海が広がっている。
のんびり緩やかな風景。
それをぶち壊すような、慌ただしい足音と、はあはあ苦しそうな息遣い。
「遅刻遅刻遅刻!」
寝癖のようなぼさぼさ赤毛の少女が制服姿で、通学カバン片手にその坂道を下っている。
はあはあと息を切らせながら、必死に走っている。
少女のモノローグ。
『私、惚笛ほのか。
高校一年生。
なんの取り柄もない、普通の女の子です。
実は私、誰にも話せない、
ちょっとした秘密を持っているのだけど。
……って、それどころじゃないっ!。
急がないと。
今日、遅刻するわけにはいかないのだから。
でも、
でも……』
はあ、
はあ、
「もう、体力……限界ですう……」
4
学校の廊下。
惚笛ほのかが、立たされている。
水のたっぷり入った金属バケツを両手に持って。
「結局、間に合いませんでした」
バケツを持ったまま、がくりうなだれた。
頭の中の映像が、ぽわーんと画面一杯に広がる。
回想シーンだ。
先生が、丸めた本をパシパシ自分の手のひらに打ち付けながら、怒鳴っている。
「惚笛、お前はここのところ遅刻ばかりして、たるんでいる! いいか、明日も遅刻をしたら、バケツを持って廊下に立ってもらうからな!」
ぽよよよよ、と回想映像は消えて、残るは廊下に一人立つほのかの姿。
「はーあ」
うなだれたまま、大きなため息をついた。
「この学校、相変わらず宿題が多いというのに、課外活動も最近やたら多いし。……ちょっと遅刻するくらい、多目に
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