れっつじょいん ばりぼーくらぶ 後編
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いても装填ができていないとか、そもそも車長が「A地点に躍進して標的の11時を向き、揺動が落ち着いたらただちに射撃」と命令しても、できるのは30分後という状態だった。
やはり戦車も、チームワークの乗り物なのだ。
「あら、散開して標的を半包囲って想定で、皆の位置取りがいいわね。
射角が全車きれいに重なるだけじゃなく、相互の死角もカバーしているじゃない。
教え方がうまいみたいね」
といっても、みほは別に戦術について特訓したわけでもなんでもない。
メンバーがバレーボールで好きに遊んでいるうちに、たがいになすべきことの理解がすすんだということなのだ。
コートで言葉ではなく呼吸でやりとりするのと同じことが、戦車道のフィールドでも行われている。
(うん、アヒルさんの強さは根性と想いだけではなかったと思ってたけど、やっぱりバレーボールそれ自体がアヒルさんの強さだったんだ)
みほは、自分の考えが正しかったことを、今日までの授業で確認した。
これはおそらく「苦行ではなく、勝利のために犠牲を強いる事でもなく、自発的に強くなり、結果としての勝利がその先にある」戦車道へとつながるひとつの道であろう。
みほの戦車道へ彼女なりの探求は、これからも続く。
(この話おわり)
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