【にらめっこしましょ】
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え? あ、特別決めてなかったけど……何かして欲しい事ありますか、ネジ兄さん」
「俺は……好きなんですよ、あなたが──」
ふと微笑するネジに、ヒナタは身体中が熱くなって胸の高鳴りを感じた。
(えっ、え……!? ネジ兄さんが、急に私に、こく…っ)
「──淹れてくれる、お茶」
「あ……はい、そうですよね……ありがとう、ございます……」
その紛らわしい言い回しにヒナタは拍子抜けてしまい、ネジには何故かヒナタが落ち込んだように見えたがその意味するところがよく分からないといった様子で首を傾げている。
(俺は何かおかしな事でも言ったのだろうか……?)
「じゃあ……美味しいお茶、ネジ兄さんの為に淹れますから、台所借りますね……」
大きく期待が外れた反動の為か、若干ふらふらとしながらも台所へ向かうヒナタ。
「あ……団子でも買って来て、茶と共にヒナタ様も頂きませんか?」
「えっ! はい、そうしましょう!」
ネジの言葉に分り易く反応し、ヒナタは途端に元気を取り戻して意気揚々とお茶の準備を始めた。
──そしてネジが買ってきた三色団子とヒナタが淹れたお茶と共に縁側で二人は、春の暖かな日差しの中まったりと頂いた。
「ヒナタ様が淹れて下さったお茶……やはり美味しいです。ありがとうございます」
「いえ、こちらこそお団子買って来て下さってありがとうございます……!」
「随分、嬉しそうに食べますね」
「ふふ……、だってネジ兄さんも何だか嬉しそうだし、私も嬉しいんです」
「フ……、あとになって思い返すと、にらめっこの時のヒナタ様の顔……、悪くはなかったですよ」
目元もにこっとさせ、顔をほころばせるネジにヒナタは思わず見とれて固まる。
(その笑顔……、は、反則だよネジ兄さん…っ)
「──どうしました? ヒナタ様」
すぐ隣のネジが顔を覗き込んできたのでヒナタはどぎまぎしてついおかしな行動をとる。
「お、お団子食べたせいか、眠くなってきちゃいました……! おやすみなさいっ」
「……そこで何故、俺の膝の上に寝るんです」
「わっ、ごめんなさい!? そんなつもりじゃなくて…っ」
半ば吸い寄せられるようにネジの膝の上に横になって頭を乗せてしまい、瞬間弾かれたように起き上がる。
「フ、おかしな人ですね……」
「──ひゃい?」
不意打ちにヒナタの両頬を優しめにふにゅっとつまむネジ。
「にらめっこの時のお返しですよ。……フフ、ヒナタ様のつままれた顔もなかなかですね」
「う〜、ネジ兄しゃんのいじわりゅ……」
「はい、すみませんでした……笑ってしまったので今のは俺の負けです
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