れっつじょいん ばりぼーくらぶ 中編
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レー部員とともに戦車道を戦い抜いてきました」
ここにいた生徒たちはこのとき、この非力で小さな八九式がはるかに強くて大きい戦車たち相手に懸命に戦った、その場面を思い出している。
八九式でさえ実物はこんなに大きいのだ。黒森峰のティーガーUや大学選抜のパーシングなどいったいどれほどの威容を誇るのだろうか。
そんな戦車を相手に、ここにいる「五人」は一歩も引かなかったのだ。
奇跡と言われる勝利を、その手につかむまで。
涙ぐむ生徒もいたかも知れない。
「こうして今、もはや大洗女子の存続をおびやかす者はいなくなりました。
それを見届けた戦車道の仲間たちは私たちに、もうバレーボール部の復活にかかってもいいんじゃないかと言ってくれました。隊長は広場で、この八九式とともにバレー部復活をアピールしてきなさいとおっしゃいました。
ですので、皆さんにお願いがあります。
もしこのなかに、私たちといっしょにバレーボールをやってみたい。そう思う人がいたらぜひ私たちといっしょにバレーボール部の復活再結成に加わってください。お願いします」
「お願いします」
磯部たち四人は、そう言い終わると頭を下げた。
生徒たちは皆、どういう反応を返したものか顔を見合わせている。
そのとき……
「えー、皆さん。
私もバレー部に参加することにいたしました」
八九式のかげから見た目には普通の3年生が、バレー部のユニフォームを着てあらわれた。
「えーっ!」
「うっそお!」
「大洗の軍神よ!」
なんとその3年生は、「軍神」西住みほその人だった。広場は大騒ぎだ。
みほ本人にすれば「軍神」よばわりはしゃれじゃなく冗談じゃないのだが、この際それを大いに活用しようと考えたのだ。本来みほは引っ込み思案のあがり症なのだが、ここ一番のときは人が変わったように堂々としゃべってみせる。だから試合の時の方が落ち着いているのだ。
「それだけではありません。
今年バレー部に参加する方は、新調するユニフォームといっしょに、戦車道制式パンツァージャケット一式をプレゼントします。
さあ、今年は私といっしょにバレーボールをしましょう。
私たちははみんなを待っています!!」
磯部たち四人がそれに合わせて「おー!」と叫ぶ。
生徒たちもなぜかつられていっしょに「おー!」と叫んでいる。
みほは「虚名は無名に勝る」のだなと、しみじみ思った。
「あのー、すいませーん」
磯部の真ん前にいる生徒が手を上げている。
なにか聞きたいようだ。
「今度できるバレー部って、体育会系のガチ部活っすか?
それともレク活動も許容するんですか?」
「それはもち……、ふごふご」
答えかける磯部にとっさにフェイスロック
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