れっつじょいん ばりぼーくらぶ 前編
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もあった。本来は部活の結成については生徒側が行うことであって、生徒会側はその承認否認と予算の配分を行うものだ。しかし磯部たちがバレーボール部を復活させたいのは大洗戦車道メンバー全員が知っており、そのため角谷は人数の条件さえ整ったなら、最優先でバレー部を復活させるよう言い残したのだ。
また、本人たちが希望すれば戦車道授業からの離脱も認めるよう言われている。戦車道履修生から見れば磯部たちがいなくなるのは大きな痛手だが、今までのことを考えれば戦車道の負担から自由になって、好きなだけバレーボールをやってほしいと華も思っている。
(ただし本人たちは、戦車道の継続と自分たちの参加を希望している)
だが一方で、華は最後の条件である「人数」こそが本当は一番問題だと考えている。
なにしろこの年度、大洗女子にはバレー部はなかったのだ。
新入生には初めから「大洗女子にはバレーボール部はない」と思っている者も多いだろう。
最悪の場合、また「人数不足」になる可能性も、わずかだろうがあるかも知れないのだ。
もし4月にまたバレー部が結成できなければ、磯部はもう高校バレーをすることがなくなる。
この場合は戦車道の成果が逆にネックになる。磯部典子でさえバレーボール選手ではなく「戦車道のスーパースター」として認知されているのだ。磯部はバレー部復活までユニフォームに袖を通さない覚悟だったが、他の三人も戦車道の試合ではいつも着ているユニフォームではなく、大洗女子の戦車道ジャケットを着ている。
アヒルさんチームがバレーボールプレイヤーだと知っている者は、大洗女子の中でさえあまりいないのだ。
「いや、絶対にバレー部は復活させなければいけない!」
そう、アヒルさんチームの勇戦がなかったら、大洗女子は存続できなかったかもしれない。
報いる道はただ一つ。
何があろうとバレー部を再結成するしかない。
華は放課後に、密談に最適な例のとんかつレストランに「あんこうチーム」全員を集めることに決めた。
……断じて自分が「超重戦車カツ定食×3丁」を食べたいからではない。
とんかつレストランに五人が集合してから、すでに1時間が過ぎていた。
だが、話はまだとっかかりにすら入っていなかった。
華はナプキンを取り出して、上品に口周りをぬぐう。
華の前には、『撃破』された超重戦車マウスが乗っていた大皿が3枚、ピカピカの状態で3枚きれいに積み重ねられていた。お上品に。
今回は皆、華以外は相談がメインと思っているので、普通の定食を頼んでいた。
それなのに華は何も言わずにカツをお食べになり、皆と合わせたように同じ時間に食べ終わりになられた。所作は大変お上品なのだが、分量が残念だ。
「で、皆さんにお集まりいただいたのは……」
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