もう一度
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光輝く少年の体。そこから発せられる魔力はあまりにも大きく戦場の気温がどんどん下がっていく。
「なぜ・・・貴様がそれを使えるんだ?」
全身が光輝くレオンを見て目を見開く天海。彼は覚醒した少年を見て驚愕し、立ち尽くしていた。だが、彼はすぐに笑みを浮かべ、少年に向き直る。
「あいつ以外にもそれを使える奴がいたとは・・・面白そうだ」
実に彼は楽しそうに、嬉しそうに笑っていた。一方のレオンには一切笑みはない。金色に輝く彼は、鋭い眼光を光らせ敵を見据えていた。
「待てレオン!!それを使っちゃいけない!!」
すると、突然蛇姫の鱗のマスター、オーバが叫びだした。
「ごめんオババ様。もう決めたんだ」
その声に彼はそんな解答をすると、天海めがけて加速する。彼は敵の懐に入り込むと、魔力を纏わせていない拳を叩き込んだ。
「ぐっ!!」
本気ではなかったであろう一撃。それなのに天海の大きな体は宙に浮いた。続けて攻撃を与えようと飛び上がるレオン。しかし、天海はそれに気付くと、彼の頭を踏み台にしてさらに高くジャンプする。
「てめ・・・ざけんな!!」
踏み台にされたことにより地上に舞い戻ったレオンは再度飛び上がろうと着地してジャンプに動き出そうとしたが、天海はその隙を与えない。
「フンッ!!」
高い位置から体を回転させて蹴りを打ち込む。痛烈な一打となるはずだった攻撃。だが、レオンはギリギリのところでそれを受け止めていた。
「調子に・・・乗るな!!」
「っお!!」
掴んだ足を投げ飛ばす。天海は体を回転させながら地面に着地すると、笑いが止まらないようで表情が緩みっぱなしだった。
「いいぞ、これだ・・・これを待っていたんだ」
そう言って次から次へと体術を繰り出す天海。だが、レオンはそれを全て受け流し、逆にカウンターを繰り出していく。
「そうだ!!もっともっと俺を楽しませてくれ!!」
その真価を見せたレオンの力に天海は興奮していた。ようやく現れた自らと互角に渡り合える相手。どれだけ長い間待っていたのか思い出せない。それほどまでに彼はこの瞬間を待ち焦がれていた。
「楽しんでる余裕なんか、すぐに無くしてやる!!」
それに対しレオンはますます速度を上げていく。負けたくない想い、友の頑張りを無駄に・・・いや、これ以上の犠牲を出さないためにも、彼は攻撃の手を緩めることはできなかった。
「やめろ・・・やめてくれレオン・・・」
形勢逆転・・・とまではいかないが、確実に状況が変わっているはずのハルジオン港。それなのに、オーバの顔色は優れなかった。彼女はさらに加速していき、天海を押し始めているレオンの姿を見て、涙が止まらなくなって
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