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おぢばにおかえり
110部分:第十五話 中間テストその四
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第十五話 中間テストその四

「仕方ないわね」
「この図書館使い易いし」
 しかもこうした理由があります。
「いいと思わない?」
「そうね。あんまり居心地がいいから寝ちゃいそう」
「こらっ」
 気持ちはわかりますけれどね。
「寝たら駄目じゃない。何でそうなるのよ」
「だってテスト中でも寮は変わらないし」
「それは仕方ないじゃない」
 今更言っても、って感じです。
「それはそれ、これはこれでね」
「わかったわ。そうなのね」
「朝早いのは慣れてないの?」
 この娘も教会の娘さんなので。
「朝のおつとめで」
「それでも毎日四時半よ」
 本当は五時半ですけれど一年生は実質こうなんです。一時間早く起きて部屋のお掃除にスリッパを揃えて。朝の点呼までにしておかないといけないんです。
「今までなかったわよ」
「まあそうだけれど」
「二年になったら変わるかしら」
「さあ」
 実感できません。正直言って。
「どうかしら。そもそも二年になること自体考えられないけれど」
「それを言ったらおしまいよ」
 おぢばなのに寅さんの言葉になりました。
「留年しなければ大丈夫だし」
「それはそうだけれど」
「実感としてないのは確かよね」
 とても感じられません。今一年生としてひいひい言っているんですから。それでどうして実感が持てるというんでしょう。といってもこれって小学校や中学校でも同じだったんですけれど。どうしてもその時のことで一杯で後でどうなるのかってわからないですよね。
「どうしてもね」
「そういうこと。だからね」
 また私に言ってきます。
「それを言ってもね」
「そういうことなの」
「そういうこと。それでね」
 話がここで変わりました。
「今日のテストどうだったの?」
「まあ一応は」
 とぼけることもできますけれどそういうの好きじゃないんで。それでこう答えました。ただあまり答えとしてはどうかと思いますけれど。
「書けることは書けたわ」
「書けるのは誰だってできるんじゃ」
「ええ。それはね」
 こう切り返されました。意外と手強いというか。
「まあそうよね」
「できたかどうかなのよ。そこんとこどうなの?」
「とりあえずは大丈夫・・・・・・だといいわね」
 あまり自信のある性格ではないんで。こう答えました。
「正直なところ」
「そうなの」
「ええ。正直返って来るまでわからないわ」
 本当にそうですよね。自分ではできたと思っていてもできていなかったり。そういうことがあるからあまり断言したりはしないんです。
「欠点じゃないとは思うけれど」
「だったらいいじゃない。それで済むんだから」
 天理高校に通っているとこうした考えになってしまうみたいで。テストは四十点を下回らなければそれでい
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