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名探偵と料理人
番外編4(中編) 金田一少年の事件簿:怪盗紳士の殺人
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ツに匂いがついている。さらに調べればラベンダーの香りだけでなく踏み荒らしたときに茎や葉の青臭い匂い、とどめに部屋中に残った足跡と合致し、畑の土が着いた靴を持っていること、なんてのも決め手になると思いますよ?」

「む!?確かに金田一の言っている事だけじゃなくそれだけの証拠が残っているのなら言い逃れできねえな」

「じゃあ、あんたが怪盗紳士!?」

「ち、違う!僕は怪盗紳士なんかじゃない!…確かにアトリエの絵を盗んだのは僕だ!でも僕はその女に伯父さんの絵を全部持っていかれるのが悔しくて…!」

 

さくらさんを指さしてわめく和久田さん。いや、親とかならともかく伯父さんて。図々しくないか?

 

「僕だって一枚くらい貰う権利があると思ってそれで…信じてくれよ皆!」

「ま、たしかに本物の怪盗紳士ならこんだけ杜撰な証拠は残さねえだろうさ」

「全くお前というやつは…!私の顔に泥を塗りおって!そんなにお望みなら言う通りお前にはただの一枚も絵はやらんわ!」

「ひいいいいい!」

 

頭を抱えた和久田さんをその手に持っていた杖で殴打する剛三氏。いや、警察は止めろよ……

そう思って二人の警部の方を見ると論破された大河内警部の肩に剣持警部が手を置いていた。

 

「良かったですね、大河内警部!盗難事件が一つ解決して!」

「……」

「それも皆そこにいる、「高校生の探偵気取り」のお蔭ですよね?」

「くっ!」

 

おお、ぐぬぬしてる。中々見ないな、あんな立派な「ぐぬぬ」。

大河内警部は剣持警部から離れ、和久田さんに絵の居場所を聞きにいったようだ。

 

「よう、金田一!助かったぜ。大河内警部全然協力してくれなくてな。やっと鼻をあかせたよ」

 

高校生組に話しかけてきたのは剣持警部だ。

 

「いやあ。それほどでも…って言いたいけど、あれ位しっかり現場検証していれば誰でも真実には辿りつけてたさ。現にそこの龍斗も気づいてたろ?」

「む?そう言えば君は見ない顔だな」

「初めまして、緋勇龍斗と言います」

 

俺は自分の事と、今日ここに来た経緯を話した。

 

「そうか、それは災難だったな。にしても、君が緋勇龍斗君か。私の家内も君が寄稿した雑誌のレシピを元に料理を作ってくれたことがあったが一家皆好評だったぞ!もうしないのかい?あれっきり妻が新しいレシピが出ないと嘆いていたが」

「あー、まあ。次の、一月にある世界大会に出てからですかね。あんまり雑誌の取材とかテレビとか興味なくて」

「そうかそうか、それは楽しみだ…っと。自己紹介が遅れたね。私は警視庁捜査一課の警部、剣持勇だ」

はい、知っています…あれ?捜
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