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名探偵と料理人
番外編4(中編) 金田一少年の事件簿:怪盗紳士の殺人
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道をうろついていたんで連れてきたんだ」

 

そのポアロは岸さんの鞄から出されて岸さんに抱かれていた…が、すぐに彼を見て唸りを上げた。一はそれを見て誰が盗んだか察しがついたようだ。

 

「とにかく!署に来てもらおうか!たっぷり絞り上げてやる。さあくるんだ!」

「待ってください、大河内警部!」

「ん?」

「その人は絵を盗んだ犯人じゃなさそうですよ?」

「何だと!?こいつが犯人じゃないとしたらいったい誰が」

「犯人はオレ達招待客の中にいる。この中の誰かが蒲生氏の自画像を盗んだんだ!!」

「ほ、本当なのかい君?誰が私の自画像を?」

「信じられないわ…」

「それは…こいつが知っているよ!」

 

一は岸さんに抱かれていたポアロを預かり、皆に見せた。

 

「その犬が犯人を知っているだと!?ばかばかしい!やっぱりあてにならんな、警視庁の助っ人というのは!」

まだいうかい。

「まあ見てなって!…さあポアロ!お前の「推理」でラベンダー荘から絵を盗んだ犯人を見つけておくれ!」

 

一に地面に降ろされたポアロは一目散に和久田さんへ走り寄り吠えた。

 

「うわ!?な、なんだこの犬は!?」

「なーるほど。絵を盗んだのはあんただったんですか、和久田さん!」

「バカな!?犬にほえられたぐらいで、どうして僕が犯人呼ばわりされなきゃいけないんだ!?」

「根拠はあんたの体に染みついたラベンダーの香りさ!」

「ラベンダー?」

「さくらによるとポアロはラベンダー畑の近くに来るといつも激しく吠え立てるらしい。今日の車に乗ってきている時もそうだった。寝そべっていて窓の外を見ていなかったのにもかかわらずな。それはなぜか?それはそこにいる龍斗が教えてくれた。エアコンからラベンダーの香りが入ってきて暫くしてポアロは吠えだしたってな。つまり、ポアロがラベンダーの匂いを嫌いなんだ」

 

一はそこで一度きり、皆に現場をもう一度確認させるように手を回した。

 

「このアトリエは玄関まで一本道だ。だがそこには警官が立っていた。侵入経路とみられる窓から入るにはぐるっと迂回してラベンダー畑を突っ切っていくしかない。窓の外を見てもらえば分かるけど案の定ラベンダー畑の中には誰かが踏み荒らした跡がある。ラベンダーの花はすりつぶすことで香りが発生するから犯人の身体にはラベンダーの香りが染みついているはずなんだ。

ポアロは岸さんには吠えず他の誰かを睨んで唸っていた。誰に唸っていたかはもう分かるよな?つまり本当の犯人、あんたに向かってだ!」

「ついでに補足するなら、貴方夜のパーティでカクテルをスーツにこぼされて着替えているのにその新しいスー
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