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名探偵と料理人
番外編4(中編) 金田一少年の事件簿:怪盗紳士の殺人
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解決の要請とかで呼ばれていったりしてるけど」

「ああ…それ、今回のオレと同じじゃねえか。オレも剣持のおっさんに言われて今日ここに来たんだ。怪盗紳士逮捕のためにな。後で紹介するよ」

「それは楽しみだな。一も東京で俺に言ってくれれば新ちゃんは今は出張で厄介な事件に関わっているから軽々しくは言えないけど。小五郎さんには会えるかも……じゃない、一。ほら見てみなよ」

「ん?……あれは」

 

俺が指を指した先にはラベンダーが倒れて道のようになっている部分だ。ラベンダーの花が潰れたいい匂いと共に茎が折れて青臭さが俺の鼻につく。これは折れてそう時間は経っていないな。

 

「犯人はココから来た見てえだな」

「偽装工作でなければ、ね。床についている土の匂いも畑の土と同じものだし、ラベンダーの香りと一緒に茎や葉を踏み荒らしたせいで真新しい青臭い匂いが漂ってるしな」

「……龍斗サン龍斗サン?オレにはラベンダーのいい香りしかわからないんですが?そもそも土の匂いなんて立ったままのお前が何でわかるのでしょう?」

「今更じゃないかな?天草で色々やったジャン?と、まあ警察の人も来るし山狩りでもして怪盗紳士を捕まえるでしょ。靴跡に畑の土にラベンダー。まともな人が現場を見れば解決するさ」

「そうだな。剣持のおっさんもいるし」

 

 

――

 

 

「お前が怪盗紳士だっていうのは分かっているんだ!山歩きなんて適当なことふかしやがって!そのかばんの中には盗んだ絵が入っているんだろ?出せ!」

 

えぇ……確かに怪しいけどさ。さっきのはフラグか?いきなり両腕を警官に掴まれて、カバンの中身を出せはないんじゃねえかいな。

一が本館に電話をした後剣持警部や剛三氏、招待客がラベンダー荘に集まった。その時に、外の警官の所属、青森県警の警部である大河内善助という警部が一を助っ人として呼んだ剣持警部を「高校生の探偵気取り」に手助けを求めるなんてとんと人手不足なんですね、と揶揄していたが(まあ外様の警視庁の警部を快く思わないのは分からなくもないが)犯罪が起こってそれをだしに使うのはなんかなあ。

その怪盗紳士にされそうな人は岸一成と名乗り、山歩きをしていて迷い込んだそうだ。彼の服からはラベンダーの香りもしないし、もっと詳しく嗅ぎ取ってもラベンダー畑を突っ切ったような痕跡は感じられない。

 

「怪盗紳士!?ボクがぁ?」

「さあ、絵はどこにやった?どーしても吐かないと言うなら――」

 

吐かないならどうするのかな?っと、岸さんの鞄がもぞもぞしてる?

 

「な、何を隠している!?」

「わんわん!」

「ポ、ポアロ!」

「あ、君の犬だったの?そこの
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