暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
番外編4(前編) 金田一少年の事件簿:怪盗紳士の殺人
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執事。気を取り直して案内を続けてくれた。ラベンダー荘に近づくにつれ、ラベンダー畑が見えてきた。どうやら剛三氏が好きで植えているらしい。これは、小さな富良野のようだな。

 

「ほら、一ちゃん。こうやってラベンダーの花を潰すと良い匂いがするのよ」

「…!!ほんとだ」

「この香りにはリラックス効果があるのよ。ポプリや香水なんかに使ったりするのよ」

「…そうね。私もここにはよく来るのよ……」

 

ちょっと物憂げにそう呟いたさくらさん。一たちには聞こえなかったようだ。小宮山さんがラベンダー畑の間にある小道を進み、ラベンダー荘の玄関に歩哨に立っている警察に人に挨拶していた。

 

「ご苦労様です」

 

その言葉に敬礼で返す警官。どうやら、怪盗紳士の侵入を警戒しているようだ。そう言えば館の周りにもいつの間にか警察が配備されてたな。スーツ着ていたのが警視庁から来た人かな。

 

「な!」

「「きゃあああ!」」

「これは…」

「ななにがおこったんですか!?」

 

ラベンダー荘に足を踏み入れた俺達が目にしたのは、土の足跡残る床と開きっぱなしの窓。そして……

 

「お、お父様の自画像が無くなっているわ!!」

 

 

何かが掛けてあったのが分かる、空白の壁面だった。

 
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