暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
番外編4(前編) 金田一少年の事件簿:怪盗紳士の殺人
[8/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
よ!」

「アトリエ?」

「見てみたい?お父様のアトリエ!」

「え?」

「わあ、あたし見てみたい!」

 

七瀬さんの勢いのまま、俺達はラベンダー荘に向かう事になった。どうやら、ラベンダー荘には道が遠回りに作られているらしく徒歩だと10分ほどかかるそうで特注のリムジンを小宮山さんに運転して貰ってむかう事になった。

 

「どっしぇー。テレビに電話に冷蔵庫!ワインクーラーまで完備なんて。よくもまあここまで。座席もフカフカだ」

「ほんと。このシート毛皮じゃない?」

「んー。確かにこれは合成革じゃないね」

「え?」

「ご主人様は大の乗り物嫌いでして、乗ったことがあるのが車と電車が数えるほどだそうです。しかも長距離はこの贅を凝らした特大特注リムジン以外は無理という次第でして。それにしても緋勇様は良くお分かりになられましたね。確かに天然ものの毛皮を使用していますが」

「まあ、上から数えた方が早い大富豪のしりあいがいますからね…うん?」

ラベンダーの香り?

「そうなのですか。やはり緋勇様は仕事柄そう言った方々とご交流があるんですね」

「うへー。龍斗ってやっぱふつーじゃねえのな」

「あ!そう言えば勢いできちゃったけど勝手にアトリエに行っても大丈夫なの?」

「大丈夫ですよ。今から行くアトリエですが以前は勝手に入られることを固く禁止されていましたが新しい絵を描かなくなってからギャラリーとして画商を招いていらっしゃいます」

 

んん?新しい絵を描かない?吉良さんみたいになんか事情があるのか?でもあの自己顕示欲が高そうな男がそんなことになるものか?

 

「ウゥゥゥ…」

「どうしたの、ポアロ?」

「ラベンダーの匂いが嫌いなんじゃないか?」

「へ?」

 

小宮山さんが車を止め、さくらさんがドアを開けるとポアロは一目散に館の方へと戻って行った。

 

「ラベンダー荘に来るといつもああなのよ。もしかしたら緋勇君の言う通り、ラベンダーの香りが嫌いなのかしら…って、私ラベンダーのこと言ってないわよね?」

「さっき車が外気を取り込んだ時にかおってきたからね。そのあとすぐにポアロが唸りだしたからそうかなって」

「え?」

「ちょ、ちょっと緋勇君。それってポアロより先にラベンダーの匂いに気付いたってこと?!」

 

驚愕の目を向けてくる一を抜いた三人。

 

「あー。そういえばそうだった。こいつはとんでもびっくり人間だった」

「失敬な。人って言うのは鍛えれば鍛えた分だけ鋭くなっていくものさ」

「さ、左様でございますか。そ、それではどうぞ、こちらにございます」

 

流石は歴戦の
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ