番外編4(前編) 金田一少年の事件簿:怪盗紳士の殺人
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が四年前、13歳という若さで全世界のパティシエの頂点に立った緋勇龍斗君だ!今日は来れなかったもう一人の画商の付添で来てもらったのだが、皆も味わった通り、唯の野菜であれだけのものを作ってくれたのだ!!そこで…」
そこで?
「もう一度、その腕を見せてくれないか?」
そう言った剛三氏の顔を俺は直観した。ああ、この人は俺の事を嫌いなんだな、と。全く、あんなすばらしい作品を書いた人間と同一人物だとは到底思えん。
まあ、小宮山さんに余興をすると言ったので丁度いいか。
「おっとその前に…」
料理長が俺に渡そうとした人参をインターセプトした剛三氏。何をするかと思えば……そのまま人参をかじった。その人参自体の味は普通のと変わらないことを確認したかったのかね。そこまですかぁ……
「さあ、どうぞ!」
いや、どうぞって。はあ。
俺はそれを受け取り、かじり取られた欠損部分を上手くいかせる…ふむ、東都タワーでも作るかね。
俺はトリコ世界の包丁を手に持ち、渡された人参に刃を入れる。人参の持つポテンシャル以上の美味しさを引き出し、無駄なく、それでいてスピーディに。
俺が東都タワーを完成させたのは刃を初めて入れてから10秒足らずだった。
「…どうぞ?剛三氏。料理長も俺の包丁で切ってみてくださいな」
「!!」
もうこうなったら徹底的に反論を潰してやるよ。誰に何かを誤魔化す事は出来るだろうけど、自分は誤魔化せないだろう?
――
結局、剛三氏は受け取った俺と料理長の人参を食べて、そのまま部屋に戻ってしまった。
「よお、龍斗!やっぱオメエすげえんだな。切っただけなのにあんなに違いが出るもんだな」
「ありがと、一。にしてもまーたお互い住処とは離れた所で出会ったな」
「あー、確かに。妙な所で会うもんだなー」
「え、えっと。金田一君。緋勇さんとお知り合いなの?」
「え?ああ、コイツとは妙に旅行先というか出かけ先で会うんだよ。2人とも東京に住んでいるのにな!」
「だねえ。この場にいるってことは君が剛三氏のご息女かな?」
「あ、はい。和泉さくら……蒲生さくらと言います」
「さくらさんは一か月前まであたしたちと同じ不動高校に通ってたのよ。しかもあたしたちの同級生!」
「おー。ってことは一たちともここで再会した感じかい?あと、同い年なんだし砕けた感じでいいよ」
「分かったわ。それと再会については実はそうなのよ。私が呼んだわけじゃないのにお披露目の時に入った部屋に見知った顔があって吃驚したわ。でも、二人はすぐには気付いてくれなかったみたいだけど
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