番外編4(前編) 金田一少年の事件簿:怪盗紳士の殺人
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んだ、普通の野菜スティックじゃないか。ばかばかしい」
そう言ってオレを見下してくる…こいつは確か和久田とか言ったか?
「違う、そっちじゃねえよ」
オレはもう一つのカップに入った飾りのついた方を指さした。そのまま二本目を頂く。
「…!へ、へえ。ずいぶんと洒落たものじゃないか。でもこれがなんだって……」
「…春彦?」
さくらのお父さんである剛三さんが和久田さんに何があったか聞いているが彼は答えず、一本目を食べるとそのまま黙って二本目へと手を伸ばした。
その様子に他の参加者も野菜スティックへと手を伸ばし……テーブルの上にあった50本近くの飾りが施された野菜スティックは瞬く間に消えてしまった。
「…しっかし、なんであんなに味に差があったんだ?何もついてない方は普通のだったよな?」
「ええ。あたしが最初に食べたのは普通だったわ」
「私もよ。お父様が用意したシェフを呼んで聞いていたみたいだけど……」
狂ったように皆で競うように食べた後、我に返ったオレ達は元のグループに分かれて歓談に興じていた。だが、微かに聞こえてくる話の内容はさくらのお父さんの絵の話とさっきの野菜スティックの話と半々みたいだな。
にしても…
「すっげえ顔してたな、さくらのお父さん」
「いつもお世話になっているシェフさんなんだけど…」
「何を耳打ちされたのかしらね……」
お?さくらのお父さんが何か言うみたいだな。
「み、皆さん。パーティを楽しんでいただけてますかな?私もこのめでたい場を皆に祝って貰えてとても嬉しい。そこで私も皆にサプライズを用意していた。先ほどの料理、料理か?…料理がそれだ」
??何でそんなに苦虫をかみつぶしたような顔で言うんだ?
「用意したものは普通の物だ。ウチのお抱えのシェフ曰く「技量の差」だそうだが。まあ、あれを作った人を皆に紹介したいと思う」
ん?さっきのシェフさんが戻ってきたな。後ろについてきてい…るの……は。
「「あーーーーーーーー!?」」
パーティ会場にオレと美雪の声が響き渡った。
――
「「あーーーーーーーー!」」
うわお。なんでここにいるんだ、一に七瀬さん…
俺は来てもいいとこの館の料理長に連れられてパーティ会場に来ていた。料理長の手にはなぜか人参二本と彼の包丁。俺も持ってくるように言われたが。声を上げた二人を無視して剛三氏は話を続けた。
「ご紹介しよう!彼
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