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名探偵と料理人
第五十二話 -日常回-
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よね。龍斗ちゃんが助けた女の子は不治の病であと半年の命だって言われてたらしいのに半月後に目が覚めたらすっかり綺麗に健康体になってたそうよ。実験台にした奴はあと半年しか生きられないんだし俺のために役立つんだからいいだろって供述していたその学生が、それを聞いて正当化を声高に叫んだそうだけど、同じ薬をどう調べても毒でしかなくて警察は不思議がってたんだって。

まあそれはともかく、そんなこんなで諸々を隠ぺいしていた事実が明るみになってその学生が通ってた大學もかなり叩かれていたそうよ。病院は閉じて、学生たちは余罪がぽろぽろと出て殺人罪で捕まったってね。私は龍斗ちゃんから逃げ出した話を聞いて龍斗ちゃんが信用できる病院を紹介してくれたからよかったものの。そう言えば病院って言ったら魚屋さんの旦那さん。骨折で帝王大学の附属病院に入院していた時になぜか、がん専門の科に転床させられてお薬の治療が始まってからみるみるやつれて…そう言えばそっちでも龍斗ちゃん、ちっちゃな女の子が死にそうな時に病室に飛び込んでそれを阻止してたわね!結局魚屋さんは健康そのものなのに人体実験の材料にされてたって。魚屋さんも女の子も何事ももなく退院できたらしいんだけどそこは大学病院だったからもう大変よ!関わってたお医者様は全員逮捕、殺された患者数は分かってるだけで100人を超えているらしくて歴代で関わってた人も調査が始まってるって。あそこはもう慰謝料とかで大学自体が潰れるんじゃないかしら…そうそう、立て続けに嫌な病院にあたってばかりだから何か病院にかかるようなことがあったら龍斗ちゃんのおすすめの病院に行きなさいってこの商店街では言われているのよ。あの子ならいいところを教えてくれるって。思い出したわ、病院と言えばね……」

 

…ああ。そういえば八百屋のおばちゃんは話し出したら止まらないんだっけ。荷出しも放り出して話し続けているし。俺が口を挟む暇もねえ。それにしても不治の病ねえ。悪い所を何とかしたら、病気も一緒だったって事か。あんときは正常化することを念頭に置いてたからなあ。

あれ?おばちゃんの話がいつの間にか病院から冬に行った雪山の話になってる…確か、商店街の集まりで雪山のコテージを借りて遊んできたんだっけ?吹雪がひどくなって予定通りに帰れなくなって、大変だったって去年の冬帰ってきてからすぐに教えてもらったな。八百屋、魚屋、肉屋、お米屋のおばちゃんから。買い物に行くたんびに話し口は違うけど同じ内容でその時は辟易したのを覚えてる。

 

「…でもよかったよ。おばちゃんたちが外に出たりしてないで。遭難は大変だよ?」

「私達も歳だからね。雪景色を楽しんだり美味しいものを食べたりするのはいいけどスキーとか体を動かすのも程々がいいのよ。龍斗ちゃんは元気いっぱいだからそっちの方が心配よ
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