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名探偵と料理人
第五十二話 -日常回-
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ださい」

「分かりました…今日はどんな音楽を聞くんだい?」

 

さっき俺が音楽を聞いていて警察に追っかけまわされたのを想ってなのか、含み笑いをしながら俺にそう聞いて来た。

 

「流石に懲りて最近はネックスピーカーにしてますよ。これなら周囲の音も聞こえますしね」

「あら残念。それじゃあ気を付けてね」

何が残念なのか。

 

「はい、行ってきます」

 

玄関を抜け、門をくぐり俺は走り出した…しようとしたところで、新聞屋が来たので朝刊を受け取った。何々……?

 

「『ヤマトシモンチウス』から『Japonica Papilio Minoraus』に変更?蝶の学術名が変わったのか」

 

蝶と言えば、斑目家の事を思い出すな。るりちゃん元気かな…

 

 

――

 

 

「おや、龍斗ちゃんじゃないか!随分と早いけど…って、その恰好は」

「ええ。今日のジョギングのコースがココを通るコースだったんですよ。それにしてもおばちゃん、1年前に腰を痛めて入院してたのに野菜の荷出しなんてしていて大丈夫なの?手伝おうか?」

「いやあ、龍斗ちゃんは本当にいい子ねえ。すっかり有名になっちゃったって言うのに小さい時からちっとも変わらなくて。蘭ちゃんもいい子に育っているし、おばさんなんだか感慨深いわあ。あ、そうそう腰ね!入院してた病院を変えてから、すっかり良くなったのよ!ほら私が入院していた病院、なんだか院長の息子だか何だかが学生の癖に医者の真似事してたじゃない?って、龍斗ちゃんが私のお見舞いに来てくれた時に龍斗ちゃんが見つけたから発覚したんだったわよね?いきなり飛び出してきた白衣姿の人たちにびっくりした龍斗ちゃんが部屋を覗いたら女の子が苦しんでたって」

 

…あー、なんかそんなこともあったな。ありゃ夏頃だったっけ?患者が苦しんでるのに逃げ出したのもオカシイと思ってたけど学生だったんかい。

ナースコールをしたけどそのまま死にそうだったし、俺が対処できる範囲だったからこっそり処置したんだっけ。

騒ぎを聞きつけて集まってきた患者の中にジャーナリストがいて俺がボソッと医者が逃げ出したところを見たと言ったら、人相を聞いて来たので教えたんだよな…そこから辿ってすっぱ抜いたのか。

 

「そうそう。確かすぐにナースコールしたんだった」

「なんか、その時の騒ぎを詳しく調べた文屋の人がいたらしくてそこの病院長が定期的にその学生に患者を提供していたことが分かってから芋づる式に悪事が露呈したらしいのよ。その学生の普段の態度とか、オリジナルの薬…警察が調べたら人に投与したら死に至らしめる様な毒物を患者に投与したりとかしていたらしいわね。でも変なの
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