暁 〜小説投稿サイト〜
名探偵と料理人
第五十一話 -黒の組織との接触…の解決後-
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「彼?……って龍斗!?え、あいや、朝だって!?」

 

哀ちゃんに言われて俺に初めて気づいたのかびっくりした様子の新ちゃん。呼吸が荒いところから見るに酸欠による意識消失でもしたか?いつから気を失っていたのやら。朝になっていたことに驚いた新ちゃんは一目散に駅の出口へと駆けて行った。

作業員の人に上に上がるように促されたので俺と哀ちゃんは礼を言ってこの場を後にした。

俺と哀ちゃんも新ちゃんの後を追うように地上に上がるときょろきょろと誰かを探す新ちゃんを見つけた。

 

「まったく、こんな朝まであんなところで何やってたのさ」

「え?あ、ああ。寝てなかったからあの中でちょっと仮眠を…」

「そんな言い訳で…」

「俺達が納得するとでも?」

「まあまあ、いいじゃねえか!ってかなんで龍斗もいるんだよ」

「俺は哀ちゃんに呼ばれてね」

 

全く。俺も哀ちゃんも誤魔化されたつもりはないのにどんどん帰路に進む新ちゃん…お?

 

「どうしたんだい?哀ちゃん。そんな勢いよく振り返って」

「…いや。なんでもないわ」

 

んー?後ろか。一応……!!拳銃特有の鉄と火薬の匂い!?拳銃所持者がこんな近くに!?

 

「……あー、新ちゃん。哀ちゃんにここまで付き合ってきたけどこれから予定有るからさ。ここでお別れだよ。ちゃんと警察署にいるであろう博士を回収するんだよ?」

「え?お、おう。分かった」

「……ごめんなさいね。朝早くから付き合わせちゃって」

「いいよいいよ。子供はわがままを言う物さ。じゃあまたね」

 

俺は彼らとは逆方向へと歩きだした。

 

 

――

 

 

明らかに警察関係者には見えない、黒いニット帽を被った男性が俺の気づいた拳銃所持者だ。彼は左の耳にイヤホンをつけ、街を気ままに散策しているように見える……っと、観察を続けていたがイヤホンから聞こえてきた彼の名前を聞いて俺は脱力してしまった。「赤井さん」と。

いつの間に日本に来ていたのか、とか。彼が賢橋駅に居たってことはやっぱり黒の組織関係だったのか、とか。俺だけ気づいているけど10年ぶりですねピエロのDr.ワトソンさん、とか。色々考えが浮かんだが、今ここで話しかけなくてもいずれ出会う事があるだろう。

俺は彼の追跡をやめて、元々の予定のために家へと急いで戻るのだった。

 

 

 

 

 

 

え?気づかれなかったのかって?直線距離で1km以上も離れていて、道なりに言えば2km近く離れて追跡していたから流石の赤井さんも気づけないでしょう?

 


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