第五十一話 -黒の組織との接触…の解決後-
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いと思わない?」
そういってこちらにニヒルな笑みを見せる哀ちゃん。おっしゃる通りで。
「嫌なことを言うねぇ。まあ子供好きって言葉が言葉通りに取られないご時世だし仕方ないっちゃあ仕方ないけどね。それはともかく……」
目線を歩いていた方向から、哀ちゃんを落とす。俺の視線に気付いた哀ちゃんは不機嫌そうに俺を見上げながら言った。
「なによ?」
「前の哀ちゃんなら一人でさっさと見に行っただろうなあってね。少しは頼りにされてると思っていいのかな?」
「……さっきも言ったけど貴方は何も言わなくても勝手に行動するし、工藤君は工藤君で影でこそこそ私に黙って何かたくらむし。だったら私の目の届くところで動いてもらった方がいいってだけよ」
……哀ちゃんは気付いているのかな?それは、形がどうあれ他人へ助けを求められるようになっている事の証左になっていることを。以前の彼女なら俺が行動する事なんて考えもせず、自分で抱え込もうとしていたはずだ。彼女にとっての幼児化は悪い事だけではなかったんだな…
「あらら。ま、信用されてるって捉えるよ」
「いい意味じゃないわよね?それ」
そんな雑談を続けていると目的の東都地下鉄、賢橋駅に到着した。工事中の標識と工事の作業員が地下へと消えていくのが見える……うん、新ちゃんの匂いがするね。しかも残り香じゃなくてまだいるっぽい。
「……うん。確かにここにいるみたい。いるのは新ちゃんで、今もいるよ」
「犯人追跡眼鏡もここを示してるわね。全く、なにしているのかしら」
「さあ?それは本人に聞いてみよう?」
俺は作業員の人に、子供がかくれんぼで駅の中に入って行ってしまったので連れ出したいので入りたいと言う旨を伝えると快く許可を頂けた。
「にいちゃん。子供はしっかり目の届くところに置いとけよ?にしても、子供をみたって話は聞かないがなあ」
「多分、子供ならではの隠れ場所だと思います…例えば」
俺は新ちゃんの匂いが留まっている箇所を指さした。
「ああいう、ロッカーの中とかね」
「ああ!大人じゃ入れねえけど子供なら入れるな」
「じゃあ行こう、哀ちゃん」
「ええ」
俺達はロッカー室の中に入り、一番奥まで行きとある列の一番下の棚を哀ちゃんに指差した。
哀ちゃんは頷き、ロッカーの扉を開けた。
「は、灰原?」
「何してんのよこんな所で」
いやホントに。
「お、おまえこそどうしてここへ?」
「夜中にビートルで出て朝になっても帰ってこないから予備の追跡眼鏡で追ってきたのよ。彼と一緒に」
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