第五十話 -揺れる警視庁 1200万人の人質-
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「しっかり役目は果たしているね。ちょっと面倒事が起きそうなんだ)」
「(そうなん?)」
「(ああ。ちょっと対応してくるから紅葉は普段通りにしておいて。なんか盗聴器まであるみたいだし)」
「(……わかった)」
ひそひそ話を終えて、俺達は昼食の準備を始めた。東都タワーの爆弾解体では結局、新ちゃんはコードを途中で切った。後一秒で爆発するってところまで粘るもんだから俺の手はすでに爆弾の横から生えていた。まあ新ちゃんはパネルに集中していたから気づいていないだろうけどね…っと。新ちゃんもしっかり謎を解いていたみたいだけど、どこにあるかまでは分からないはずだ。さっき見つけたことを報告しておかなきゃな。
「ごめん、先に食べていて」
「どうしたの龍斗君?」
「ちょっと電話をね」
「??じゃあ先に頂いてるわよー」
「ああ」
俺は紅葉の肩を一撫でして屋上に上がった……うん、屋上には特に何か仕掛けられてないな。新ちゃんと高木刑事の会話から爆弾には盗聴器が仕掛けられていたらしく、もしやと思って帝丹高校を調べてみると…まさかの2Bの窓の裏に仕掛けられていた。まあこれは盗聴器というよりトランシーバーに近いかな。この周波数の電波は他にないからね。
確認を終えた俺は新ちゃんに電話を掛けた。
『もしもし?龍斗か?』
「ああ。お疲れ様。爆弾を解体してたんだってね」
『…なんで知ってだよ。オメー、全国模試の真っただ中だろ?』
「あ、やっぱり新ちゃんだったんだ。巽先生がラジオで東都タワー爆破の報道を聞いていてね。まあテスト中だったからイヤホンだったけど。盗み聞きしてたら取り残された少年が爆弾解体してるって言うからまあ新ちゃんだろうってね」
『相変わらずの地獄耳だな。まあ正解だよ…それで?わざわざかけて来たってことは何かあるんだろ?』
「まあね。実はさ。帝丹高校の倉庫奥に用途不明のドラム缶が5つも設置されているんだよね」
『!!それっていつからだ!?』
「最近、だと思うよ。それにさっき偶然見つけたんだけど窓の人目につかないような場所にトランシーバーみたいのが仕掛けてあったよ。何があったかは知らないけれど新ちゃんは当事者みたいだし、ここには新ちゃんの知り合いが大勢いるからね。報告しておこうかなって」
正直、俺が普通の人間だったとして得られる情報は「新ちゃんが爆弾騒ぎに巻き込まれている(イヤホンの音を聞けるのが普通かと言われると微妙だが)」「偶然盗聴器のようなものが仕掛けられているものを見つけた」「不審なドラム缶がある」くらいだ。俺は中身が爆薬だという事は分かっているが…まあ、大丈夫だろう。動きがなければ今度こそ俺がどうにかすればい
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