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名探偵と料理人
第四十八話 -隠して急いで省略、西の名探偵vs.英語教師-
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そうとした時、アイツが傍にいたんだから」

「アイツって哀君の事か?」

「ああ、この近辺で誰かが嗅ぎまわっているなんて聞いたらまたアイツ引きこもっちまうだろ?それにオレ、アイツと約束しちまったんだ。「ヤバくなったらオレがなんとかしてやっから心配すんな」って。だから無用な心配をかけるわけにはいかなくてよ」

 

あらら。よりにもよってここを盗み聞きされちゃうとはね。まあ、哀ちゃんも出会った当時から変わってきているようだし、ここは静観しましょうかね。聞いて損があるわけでもないし、何より気を配ってくれる他人の存在がいることを知るのは彼女にとってもいいことだと思うし。

 

「つーわけで、この事は灰原の耳には入れんじゃねーぞ!龍斗もだ。アイツ、見かけよりタフじゃねえからよ」

『(…バカ…)』

 

地下へと降りる階段の壁に寄り掛かった哀ちゃんが小声でバカと呟いたのが聞こえた。こりゃあ完全に聞かれてたね。タイヘンダナー新ちゃんは。あ、降りてきた。

 

「でも、ひっかかるんだよなァ」

「何が?」

「その泥棒、盗んだ調書をわざわざ送り返してきやがったんだ。わざわざ警視庁までな」

「それは…また色んな意図が考えられるね」

「なにがじゃ?調べ終わったから返しただけじゃろ?」

「バーロ、用が済んだんなら捨てちまえばいいだろ?燃やしてしまってもいい。なんでわざわざ不審がらせて警戒させなきゃいけねえんだ?」

「たしかにそうじゃの」

「俺が真っ先に思い浮かんだのは警察への挑発かなあ。「お借りしたものはお返しします、無能な警察さん」みたいな」

「む、無能って。龍斗も結構辛辣なところあるよな…あとは、これでこっちの手の内を丸裸にしたぞって言う意味の不敵なサインか…もしくは」

「誰かをおびき出そっちゅう罠か…まあこの場合おびき出す相手は工藤…お前やっちゅうこっちゃ」

「ああ、たぶんな…」

「わからんのはホンマにそれが罠やったらなんでそないなややこしくてまどろっこしい手段を取ったのか…」

「そうだな、おびき寄せる方法は他にもいっぱい…ってなんでオメーがいるんだ、服部!」

 

おおお、新ちゃんと平ちゃんが漫才みたいなやりとりしてる。因みに平ちゃんは博士が思い悩んでいる新ちゃんのために呼んだそうだ。俺相手だと背伸びして素直に相談しないだろうからと。何だかんだで10数年。博士は俺と新ちゃんの事をよく分かってらっしゃるわ。

 

「…龍斗。テメェ服部がいることをだまってたな?」

「黙っていたのはその通りだけど、俺が博士の家に来たのは新ちゃんのあとだよ?その後すぐに調書の話をし始めたんだから俺は博士に聞いたわけじゃないよ。来たときすでに二階で息を
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