第四十七話 -血のバレンタイン-
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たものか。
「おらぁ!そこの探偵の横に一列に並べ!」
猟銃三人組の正体現れたり…ってね。どうやら彼らは四年前のオーナーの夫と甘利さんのお兄さんを殺害していたらしく、その様子を取ったビデオをネタに二垣さんに強請られていたそうなのだ。結局、甘利さんに殺されるか、彼らに殺されるかの未来しかなかったのかい、二垣さん…
「よーし、茶髪にバンダナのお前!そこのガタイのいい兄ちゃんをそこの包丁でぶっさせ!!」
「ええ!!?」
おやま、板倉の指名は俺ですか。そうですか。園子ちゃんに俺を刺せ、と。ほっほっほー、それはとても面白いことをぬかすおじさんだね?あ?
「園子ちゃん園子ちゃん」
「龍斗クン…」
もう、真っ青になっちゃって可哀そうに。
――コンコン
「ん?なんだ、誰だ?お、おい緒方見てこい」
「あ、ああ」
そう言って緒方は出て行った。恐らくはあの黒ニット帽かな。敵なのか味方なのか…
「おい、さっさと刺せ「ドゴンっ!!」や…」
扉の向こうに消えた緒方が今度は扉とともに戻ってきた。扉に近かった酒見が扉の方へ注視し、俺達人質への意識はそれたが板垣は依然こっちを警戒したままだ。
「く、来るな。撃つぞ!?」
「ダ、ダメ。近づいちゃ…」
ニット帽に注意を促す、園子ちゃん。それに対して、銃口の向きと指の動きを見れば避けられるという男。いや、出来るけど、衝撃波とか散弾のばらけ具合だと紙一重にこの距離で避けるのは危ない…
――ドンっ!!…パリン!!
「ほらね?」
紙一重で男は猟銃を避けた。弾は男が着けいていたゴーグルをかすめるように通り過ぎて行った…って今!
「え?ぐっぎゃ!ああああ!!!…ごへ!」
酒見が射撃したことで板倉の意識が一瞬そっちに逸れた内に俺は動いた。滑るように板垣に接近し、猟銃の引き金をねじり切った。左手一本で銃身をはじき、猟銃を360°回転させたあとすぐさま180°戻し、銃身と腕をからませるようにねじり上げた。その後右手一本で板倉を持ち上げてともに飛び、床へたたきつけた。軽い脳震盪になるように胸ぐらをつかんだ余りの親指と人差し指で顎を掴んで調整したり、尺骨で板倉の胸骨を粉々にしないように、でもひびが入る程度には調整して衝撃を与えたりと…脆い人間を相手にするのは疲れるね…まあ園子ちゃんを苦しめた罰だと思って甘んじて受けろ。
もう一人の酒見は…あーあー、蘭ちゃんとニット帽のツープラトンキックでノックアウトだ。
――
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