第四十七話 -血のバレンタイン-
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」
「ああ。龍斗の鼻なら分かるんやな。それで?誰か分かったんか?」
「えっと、分かったっちゃあわかったんだけどな。誰か?じゃなくて何か?だなこりゃ」
「??どういうこと?」
「甘利さんのチョコを持って行ったのは犬だ」
「犬って三郎の事?」
「いや、これは三郎の匂いじゃない。もう一頭別の犬がいるみたいだ」
「で、でもオーナーさんそないなこと言うとらんかったよ?」
「オーナーが隠してたとか、もしくは知らなかったとか…こりゃ考えるヒントが足りないかな。新ちゃんにも伝えておこう」
廊下に出てみると小五郎さんが各々が集まりどのような行動をとっていたかを洗い出した。完璧に犯行が行えないのはロッジに来てから一度も外に出ていない俺達6人だけ。あとはそれぞれに怪しい時間帯があるようだ。それに猟銃組はなにやら後ろ暗いことがありそうだな。二垣さんの荷物のビデオを検閲しようとすると怯え、恐れ、焦燥…そんな心音になった。
「新ちゃん、新ちゃん…」
「ん?なんだ龍斗。実はさ…」
俺はさっき得た情報を新ちゃんへと伝えた。
「…ってことなんだ。どう思う?」
「それは、今のオーナーのお婆さんが知らないってことも含めてありうる可能性は…」
暫く黙りこくって考えた新ちゃん。結論が出たのか俺を見上げて、
「龍斗。オメー森にいるもう一匹を連れて来られるか?」
「え?うん、追跡は可能だけど」
「多分、チョコレートが遺体の近くにあったのは今回の殺人犯とは全くの無関係だ。だが、その一匹はこの事件に重要な証拠を握っている可能性がある…」
「証拠?」
「ああ、龍斗は聞いていなかったから知らねえと思うが三郎は山岳救助犬として優秀な能力を持った犬らしい。それがつまりチョコが遭難者の近くにあったカラクリだ。遭難者を見つけたら栄養価の高いチョコを持っていくように訓練されていたってな。そして今さっきチェックした中に二垣さんが森へ入って行った時のビデオが存在しないことにも引っかかってんだ、オレは。彼は写真よりビデオが好きだっていうじゃねえか。それが遺体の傍になかった。もしかしたから犯人が森の中に捨てちまってしまったとして、その犬が遭難者の荷物を回収するように訓練されていたのなら…」
「今も持っていてそこに証拠があるかもしれない、と。了解。連れてくるよ」
「ああ…だが気をつけろよ?黒いニット帽を被った怪しい奴を見かけたってあの猟銃を持った奴らが言ってから」
「あはは。大丈夫だって。クマだって素手で捌ける俺に何を言ってますやら。それからそのビデオテープ、犬が持ってなかったら一緒に探してくるよ」
「それでも、だよ。こええのは人
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