第四十七話 -血のバレンタイン-
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利さんのお兄さんもオーナーの旦那さんと同じ雪崩に巻き込まれてお亡くなりなったそうだ。そのお兄さんはまだ発見に至ってなく、こうして毎年雪崩の起きたこの時期に来ているそうだ。なんだかんだで大きな失敗もなく(まあこういう時の失敗はアレンジし過ぎや手順を面倒臭がってなることが多いからな)無事に完成した。
「ちょっと吹雪いて来たね…」
「大丈夫かなあ二垣君」
確かに甘利さんの言う通り、風邪も出てきて山向こうには怪しげな雲も出てきた…うん、これは後2時間で吹雪くな、経験上。
「甘利さん、粉川さん」
「なにかしら?」
「もし探すのなら1時間半を目処に一度ロッジに戻ってきてください。恐らく二時間後には吹雪が来ます」
「え?」
「こういう、天気を読むのは(前世の経験から)得意なんです。なので、見つからない場合はあまりひどくないうちに戻って体勢を整えた方がいいです」
「わ、わかったわ。それじゃあすぐに戻るから!」
「貴女達はロッジで待っててね!」
「「「は、はい!」」」
――
結局、二垣さんはちゃんと森の中で見つかった。冷たい死体となって。その死体のそばには甘利さんの作ったチョコレートが置いてあった。これが噂の現場か。しかしこれで分かったことがあるな。それは警察が言ったように動物が荒らして偶然チョコが置かれたわけではないという事。わざわざロッジから誰かが持ってきたってことだ。
吹雪がひどくなってきたこと、そして合流した猟銃を携えたロッジ宿泊客によるとふもとに通じる唯一の道が雪崩でふさがってしまったらしい。とにもかくにも、この森の中にいては凍えてしまうという事で一同はロッジに戻った。っと、そうそう。猟銃を持った三人組は俺達が来た時にロッジから出てきたのは酒見さんに緒方さん、後から合流したもう一人が板倉さんというらしい。
ロッジに戻り、チョコを作っていた面々は本当に甘利さんのチョコなのかを確認しに行った。
「ないね、亜子さんのチョコレート…」
「うん…」
「ないな…」
「ひっくひく…」
「亜子…」
確かに机に置いてあったチョコレートのうち、甘利さんのだけ無くなっていた。しかし…
「龍斗君?お父さんの所にいこ?」
「ん?ああ、俺はもうちょっと残って何か残ってないか調べてみるよ」
「じゃあ、ウチも残るわ」
「分かったわ。お父さんにはそう伝えとくね」
蘭ちゃんたちは泣いている甘利さんを連れて廊下へと出て行った。さて…んん?
「何か気になることでもあるん?」
「誰がチョコを持って行ったくらいは分かるかな、と
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