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名探偵と料理人
第四十七話 -血のバレンタイン-
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込んどいとくれ」

「一人で大丈夫なんか?お婆さん。なんなら、ウチらもついてったるよ?」

「そうね、一人じゃ心配だし」

「大丈夫じゃよ、この山は儂の庭のようなもの。それに三郎もついておるしな!」

「三郎?」

 

湯浅さんはぴゅいと口笛を吹くと一匹の犬が森から現れた。なーる、犬と一緒なら何かあっても俺らに知らせることもできるし大丈夫ってわけね。

 

「なあ、あのルポライター。放し飼いになっている三郎ってあの犬を山の中で見て見間違えたんじゃねえの?」

「それはないわ!」

 

小五郎さんの疑う声を否定したのはキスされた人とは違うもう一方の女性だった。

 

「彼が狼を見たのは夜10時ごろ!」

「暗くなると三郎はオリに入れられちゃいますから…」

「えっと、すみません。ちょっとここいらで自己紹介でもしませんか?そちらの女性が亜子さんと呼ばれていて、先ほどの男性が二垣さんというのは分かっているのですが…」

「え?ああ、そうね!私は粉川実果。カメラマンの仕事をしているわ」

「私は甘利亜子。編集関係のお仕事をしているわ。皆さんの自己紹介はチョコを作りながらしましょっか!」

「え?あのお婆さんが教えてくれるんじゃなかったの?」

 

そう、園子ちゃんに誘われた時はただロッジで作ると勘違いしていたのだがよくよく調べてみるとロッジのオーナーである湯浅さんが洋菓子を作るのが得意でそれを売りにもしていたようだ。

 

「前はそうだったんだけど…」

「今は私達がお客さんに教えてあげているのよ!毎年この時期にお世話になっている御礼も兼ねて…」

「ふーん…」

「まあ今でも仕上げはお婆さんがやってくれるけどね!」

「フン…そんなんじゃ愛の何たらっていうご利益も望み薄だなこりゃ!」

「うっさいわよ、おじ様!こういうのはパワァースポット的な…その場所自体にご利益があるのよ!それに今年は強―い味方がいるから、亜子さんたちもパワーアップ出来ちゃうわよ!」

「「??」」

 

園子ちゃんのその言葉にはてなマークを浮かべる甘利さんと粉川さん。そして俺を見つめてくる園子ちゃん。まあじゃないと俺が来た意味ないしね。さあ張り切って作りましょうか!

 

 

――

 

 

もはや恒例になってしまった自己紹介での驚愕も落ち着き、チョコづくりが始まった。折角だからと甘利さんたちも教える側から教えられる側にシフトチェンジしたが、流石に教えてきたと言うだけあって彼女たちの手際には迷いがない。後はちょっとした刻むときのコツやら、湯煎のやり方や隠し味くらいしか教えることは無かった。作りながら、雑談をしていたんだがどうやら甘
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