第四十七話 -血のバレンタイン-
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ーナーで湯浅千代子だと名乗った。
「ほー…ばあさん、あんたか!若い女たちをだましてこんな山奥で菓子作らせて金儲けしてるっていうロッジのオーナーは!」
「ちょ、ちょっとお父さん!」
「フン!騙すも何も、10年ぐらい前にたまたまうちで作った洋菓子がきっかけでくっついたカップルが雑誌やらTVやらで散々騒いだ結果じゃ。まあ、前のオーナーだった儂の夫も四年前に死に、今は物の怪騒ぎでとんと客足は減ってしもうてるがのう」
「も、物の怪?」
「まあ、あんたらも吹雪いて来よったら一人で外に出んようにすんじゃな!この山に住む物の怪に妙な贈り物をされたくなければのう」
「妙な贈り物ってなんです?」
「ああ、それはな…」
「チョコレートだよ」
湯浅さんが続けようとした言葉を遮って俺達に話しかけてきたのはロッジから出てきた一人の男性だった。
「この山は入り組んでてよく遭難者が出るんだけどな。この世間がチョコレートでわくこの時期になるとよくチョコレートが置いてあるんだよ。その死体のそばにな。地元の人たちはこのロッジに来るまでに迷って死んだ女の霊とか、雪女の仕業だとか騒いでんだよ」
「「「ゆ、雪女!?」」」
「まあ、心配する子たあねえよ。警察はそのチョコは食い物に困った動物が、その遭難者の荷物を漁って散乱した結果だっていっているそうだしな。…じゃあ、俺は仕事に行ってくるか!」
そう言ってロッジの方を振り返えるとそこには二人の女性が立っていた。
「いってらっしゃい!」
「二垣君?熱心に追い続けるのもいいけど…熱中し過ぎて雪女に魅入られて…森で迷わないでよ?」
「大丈夫だよ!雪女がチョコをくれそうになったらこういってやるから…」
男性…二垣さんはロッジから出てきた女性のうち、黒髪の女性に近づくと。
「亜子っていう女がいるってな…」
頬に口づけをし、森の方へ歩いて行った。彼を見送る亜子さんに近づき、今度は新ちゃんが質問した。彼は何をしに行くかを。
彼の仕事はルポライターで、どうやらずっと追っている獲物がいるらしくこのロッジに通い詰めているそうだ。JK三人組は雪女を!?と騒いでしまったが、それに答えたのは猟銃を持った二人の男性だった。なんでもここには生き残ったニホンオオカミがいるんじゃないかと当たりをつけているそうだ。猟銃を持った二人もそれを狙っているらしく、彼らもまた森へと消えて行った。
どうやら、このロッジを利用するのは二垣さん達3人と猟銃組3人、そして俺達六人の計12人のようだ。
「それじゃあ、儂も夫の墓参りに森に行ってくるからあの連中の連れが来たら適当にあいた部屋に放り
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