第四十七話 -血のバレンタイン-
[3/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
さんの調査資料、シンドラー社長から得られたわずかな情報を精査した優作さんが真実を手繰り寄せた…うん、新ちゃんは優作さん譲りの推理力だなと思っていたけど、優作さんは別格だな。そしてその場でシンドラー社長と樫村さんは話し合った結果、血筋の事を徒に公開はしない。この殺人未遂についても公にしない。ただ、二年前に自殺した樫村さんの息子を自殺に追い込むようにしたことは公表することを決めた。
10歳の子供を自殺に追い込む――センセーショナルな事件にかなり世間は賑わった。そのため、コクーンも発売は危ぶまれたが…まあこの新聞の記事の通り、無事発売までにはこぎつけたようだ。
ゲームの中で新ちゃんは不思議な体験をしたらしいのだが…まあ深く聞いてないし今度聞いてみよう。
「あのパーティでは色々あったってことだね。さて、と。そろそろ学校に行こうか」
「ええ、行きましょか」
――
「で?どうしたのさ。蘭ちゃんがいない時に俺達に話って」
「あのさ、龍斗クンは吹渡山荘って知ってる?」
「吹渡山荘?いや、知らないな。紅葉は?」
「ウチも知りませんなあ。その山荘がどないしました?」
「実はそこ、恋が成就するチョコが作れるって有名なロッジなのよ!」
「はあ…」
「恋が成就する言うましても…」
そういってちらりと俺の方を見る紅葉。
「…ああ、紅葉ちゃんには今更だけどね。ほら、私や蘭には必要なのよ!前に出来なかったセーターあげてラブラブ大作戦は出来なかったから…」
ああ。セーターを作ってるとか前に言ってたな。あれ失敗したのか。
「それで?紅葉は分かったけれど、なぜ俺も?」
「そりゃあ、龍斗クンチョコレート創るの上手じゃない。せっかくだから教えてもらって美味しく作って、しかも恋の成就のご利益まであれば鬼に金棒じゃない!」
…え?カカオから作るの?いや違うよね?湯煎して作るやつか。
「あー、うん。まあね。手助けできると思うよ」
「じゃあ!」
「紅葉は?」
「ウチもええよ〜」
「よっしゃあ!…あ、蘭には動物を見に行くって誘うから当日まで内緒ね!」
「分かった分かった」
「…ただいまー。何の話?」
お花を摘みに行っていた蘭ちゃんが帰ってきた。園子ちゃんはさっき俺達と話していた内容を蘭ちゃん用に変えて誘っていた。俺と紅葉はそれを聞きながら自分のお昼ご飯の弁当を消化することにした。
――
はてさて、つきました。吹渡山荘。出迎えたのは還暦の頃を迎えたであろう一人の女性だった。彼女はロッジのオ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ