第四十六話 -瞳の中の暗殺者-
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「あ、いや。管理職って言うのは色々と悩みが多いもので…毛利さんも一度、見てもらった方がいいかと思いまして」
「そうだなあ、オレも時々記憶が抜け落ちて…ってこら!」
「「「あははは!」」」
――ゴチン!
「オメエは笑い過ぎだ!」
「いってえ!」
新ちゃんに拳骨を振り下ろした小五郎さんは後ろを通りかかった目暮警部に気付き話しかけたが、目暮警部は取りつく島もなく去ってしまった。そこで、一緒に歩いていた高木刑事を見て悪い顔をした新ちゃんは、彼が佐藤刑事に好意を抱いていることを小五郎さんに告げ口して、そこから情報を開示しようとしていた。
観念した高木さんが吐いたのは二人目の犠牲者となった芝刑事が警察手帳を握っていたという、マスコミにも流されていない情報だった。さらなる追求をしようとしたところ、白鳥さんに一言言われた。それを聞いた小五郎さんは呆然としていたが…
「ねえ、新ちゃん。Need not to know,ってどういうことだい?」
「ああ、刑事たちの間で使われている隠語で。この場面で使われたってことは恐らくこの事件は警察関係者ってことになるな」
…それは。小五郎さんにも情報が下せない訳だ。中がごたついているのに外に漏らせるわけもないか。
――
「新ちゃん、ちょっとお手洗いに行ってくるね」
「ん?ああ。わかった」
パーティの主役だった沙羅姉さんに挨拶もでき、ついでに小五郎さんのプロポーズの言葉もゲットできてしばらくして俺はパーティの料理を食べすぎたのか用を足すためにトイレへと立った…あれ?蘭ちゃんもいなくなってるわ。
トイレの中には誰もいず、すぐに用を足すことができた。手を洗い、身だしなみを整えていると、突然ホテルの電灯が消えた…停電か?俺は取りあえず通常モードから感覚を開放してトイレの出口へと向かった…っと。
「おっと」
「!!」
「どうしたんですか?風戸先生?こんな暗闇の中走ってトイレに駆け込んでくるなんて」
そう、駆け込んできたのはさっき白鳥刑事に紹介された風戸先生だった。真っ暗闇の中(俺にはよく見えているけれど)クロークの方向から走ってトイレに入ってきた…ん?左手にゴム手袋…!!?この臭い!!
「どういうことか…皆さんに説明してくださいね?ここには都合のいい人たちでいっぱいですから」
はてさて、なんで彼は左手にゴム手袋を。そしてそのゴム手袋から硝煙の匂いがするんですかねえ…
――
停電がやんだ後、隣の女子トイレから蘭ちゃんの悲鳴が上がった。俺もその場に行きたかっ
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