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名探偵と料理人
第四十六話 -瞳の中の暗殺者-
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「だよねえ。今日のパーティで二人が新婚だったころとかを思い出したりしてくれたらいいんだけど」

「いや、オッチャンに限ってそれはない…」

「ないかぁ。致命的に別れたんならこんなふうには思わないんだけどね」

 

毛利一家と園子ちゃんが話しているその少し離れた所で俺と新ちゃんはそんな話をしていた。なんだかんだでお似合いの二人だと思うんだけどね。

記帳が終わり、クロークへ荷物を預けた俺達は鳳凰の間に向かった。その途中で新ちゃんが立ち止って傘立てにあるビニール傘を見ていたが…何の変哲もない傘だぞ?

 

「わあ、すっごく人が来てる!」

 

園子ちゃんが言う通り、鳳凰の間には50人以上の人がすでに来ていた。ふーん、スーツ姿に強面、華やかな衣装の女性にラフに着崩した格好の面々。うん、誰が誰の関係者なのか一目で分かるな。

 

「おお、警部殿も来ているぞ」

「警察関係者はすぐに見分けがつくわね。目つきが悪くて、皆重苦しい空気を漂わせて…」

「無理もねえ。例の事件でパーティどころじゃねえんだろ」

「でも佐藤刑事はいつも明るいわ」

 

蘭ちゃんの視線を辿ってみると高木刑事に自分のドレス姿を見せつけている女性がいた。彼女が蘭ちゃんの言う、佐藤刑事なのだろう…佐藤刑事?あれ?…んー?

小五郎さんは警察時代の知り合いに挨拶に行ったり、その人物の説明を英理さんに聴いたりしているとパーティが始まった。さて、と。たまには純粋にパーティ参加者としての立場を楽しみますか。

 

 

――

 

 

料理とって食べたり、園子ちゃんの男見極めに突っ込んだり、新ちゃんに言われて刑事の人たちの話していることで今起きている刑事殺しの話題があったら盗み聞きして情報収集をしたり、料理を食べたり、久しぶりに会った英理さんと話したりなどしていると。

 

「毛利さん」

「ん?おお、白鳥!今日はおめでとう!」

「ありがとうございます」

 

小五郎さんの後方から、白鳥刑事が一人の男性を伴って現れた。

 

「あの、ご紹介します。私の主治医で米花薬師野病院で心療科医をしている風戸先生です」

「風戸です、よろしく」

「毛利です。妻の英理に娘の蘭、そして居候のコナンです。それから、彼は娘の幼馴染みで…」

「緋勇龍斗です。初めまして」

「緋勇?緋勇ってあの?」

「ええ、龍斗君はあの緋勇夫妻の一人息子で彼自身もすでに世界で名を轟かせる料理人ですよ。よく来てくれたね」

「いえいえ。沙羅姉さ…沙羅さんとは何度かお会いして面倒を見てもらいましたし。おめでとうございます、白鳥さん」

「それで?白鳥さん、心療科って?」

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