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名探偵と料理人
第四十五話 -アイドル達の秘密-
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だろう。

ガーゼと包帯を持ってリビングを出ると蘭ちゃんが携帯で電話をしていた。救急車を呼んでいるようだった。俺は小走りでその横を通り抜け、風呂場へと戻った。

 

「間熊さん、落ち着いて!」

 

どうやら、風呂桶の中で草野さんを抱いて泣いている間熊さんを小五郎さんが落ち着かせているようだった。あまり湯船に浸からせたままなのはよくないんだがな。しゃーない。

 

「え!?薫?!」

「ひ、緋勇君?!」

 

俺はその声に答えず、するりと間熊さんの抱擁から彼女を奪い床に座らせて持ってきた包帯とガーゼで止血を行う。その際に患部を観察したが…思ったより深くは切られていないな…これなら十分持つかな。切られて傷ついた血管を合わせるように抑えて…うん、出血が目に見えて弱まったな。

 

「な、なにを「間熊さん!!」っ!!」

「ただただ泣き叫んで、抱きしめているだけでは彼女の命は流れ落ちてしまうだけです!彼女を救うために今やれることをやりましょう。間熊さんはマンションの一階に下りて外にでて救急隊員の誘導を!剣崎さんは管理人にマンションの玄関のオートロック式の扉をあけっぱなしにしてもらえるようにして下さい!もし居なかったらあなた自身が扉をあけっぱなしになるように壁になって下さい!小五郎さんは一階でエレベーターの扉をあけっぱなしにして救急隊員が円滑にこの28階まで来れるようにしておいて下さい!さあ、早く!」

「お、おう!」

「わ、わかった!」

「……っ!」

 

男性陣は俺の言った通りの行動をとるために風呂場から出て行った。間熊さんを玄関外に配置したのは…彼が一番錯乱して精神状態が危なかったからだ。だから、救急隊員が一番最初に目に入る位置に配置した。あとはまあ…男性陣に裸を見られないようにという草野さんのアフターケアというか…まあ俺は土下座して謝るさ。

 

「ひ、緋勇君。私達にも何かできること無いかな?」

「そうですね…ヨーコさんと岳野さんはバスタオルを出して彼女の体に巻いてあげてください。流石に全裸というのは…ね?」

 

まあ、それだけではないけどね。普通大量出血が起きた場合は四肢の血管が収縮して主要臓器へ血液が行くようにするものだがお風呂に入った状態だと体全体が温まって全身の血管が弛緩したままになってしまう。その為に俺はまず外に出したわけだが。だからと言って全裸でただ体温を下げればいいわけもなく。出来る限り彼女の裸体が目に入らないようにしているが流石に止血の手を止めてまで服を着せられないしね。

 

「わかったわ!ユキ。そこにあるバスタオルを…!」

「え、ええ。任せて!」

 

脱衣所にあった衣装ケースからバスタオルを複数枚
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