番外編3 金田一少年の事件簿:黒死蝶殺人事件
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が世界でも引っ張りだこの超有名シェフだなんて!」
「あはは、ありがとうございます。まあ、他の人よりは機会に恵まれてましたから」
「と、いうと?…ああ!ご両親も有名ね!やっぱり違うの?」
「そうですね。父や母について行って顔つなぎをする機会は子供のころから多かったですね。それに料理を教えてもらう機会も恵まれていました。とても楽しい、俺の宝物の思い出です」
「…っふん!つまりは親の七光りか」
「…ええ。俺が今あるのは恵まれた両親のもとに生まれたからですよ。もっとも…」
紅茶とともに持ってこられた角砂糖を一つ手に取り上に放り投げた。そして落ちてくるまでに蝶の形に細工をして手のひらに落とした。分かりやすく、目に留まらぬ残像をだして…まあ料理にはあまり関係ないパフォーマンスだけど。
「それなりに腕には自信はありますけどね?」
「っぐ!」
「わあ、すごい…!でも蝶、かあ」
あ、やっぱりかい。緑さん、るりちゃん、揚羽さんときたからあまり衝撃はなかったけどご当主、まさか全員に嫌われているとはね。
「…不愉快なガキだな!舘羽さん、もう行きましょう!!」
「もう、もうちょっといいでしょう?…あら、すごい手相!!私、手相を見るのが趣味なんだけど生命線が太く途切れないで…霊感のある線が3つも!!それに最も強く表れているのは奉仕十字線ね!この線がある人は家族思いだったり他人への思いやりが強い人なんだけど…貴方のこれはまさに菩薩のような人ね…だからるりも…」
「舘羽さん!」
はあ。菩薩のような人ですか。結構人の好き嫌いはあるんだけどねえ。
「…っもう!わかったわよ!……なんだかごめんね、緋勇君。でもるりが君に心を開いたのが分かった気がするわ。後一日だけだけどあの子に優しくしてあげてね?」
最初に来たときは悪戯っぽそうな表情をしていた彼女だったがその言葉を紡いだときの顔はしっかりとしたお姉さんの顔だった。
それにしても、ご当主は本当に嫌われてるな。これって目を通してなかったがもしかして三姉妹は緑さんの連れ子なのか?いやまさか…
――
「うむ、うむ。夕餉も申し分ない!これならば明日のお披露目も大成功というものよ!明日も頼んだぞ、緋勇君!はっはっはっは!」
「あ、ありがとうこざいます、明日も全力を注がせてもらいたいと思います」
うん。まあ、昼と夜とで食堂の様子はそう変わらなかった。変わったのは、食べる毎にるりちゃんが俺に感想を言ってきたことと、お姉さま方が俺へ向ける視線が柔らかくなったくらいかね。
しかし…これは……どういうことなんでしょうかね
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