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名探偵と料理人
番外編3 金田一少年の事件簿:黒死蝶殺人事件
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ら恐れられているようだ。皆さんに料理は合っていたらしく、お褒め頂いている中であのるりちゃんの宣言だ。お姉さんである2人は目を丸くして驚いていた。

 

「え、えっと?るり?るりだけじゃ不安だから私もついて行っていいかしら?」

「えー?私だけじゃあ不安ってなんで?」

 

そう言いだして舘羽さんと頷き合い、緑さんへと視線をやったのは次女の揚羽さん。いや、多分るりちゃんだけじゃ不安って言うのはるりちゃんの案内が不安ではなく、俺と二人っきりにするのが不安なんだろうね。そりゃあそうか。自分たちの知らないところでおそらくは取っ付きづらいはずの妹が数時間で人に懐くなんて怪しすぎるわな。

その視線を受けた緑さんは流石は母親というべきか、彼女たちの不安を正確に読み取ったらしい。

 

「緋勇さんなら大丈夫だと思うわ。でも、せっかくだから揚羽もついて行ってあげて。よろしくお願いしますね、緋勇さん」

「え?ええ、わかりましたわ」

 

案内をするのになぜ俺にお願いというのが分からないのだろう。皆が一様に首をかしげていた。揚羽さんも何かしら苦しいことがあって、それを軽くしてくれって事かな?

 

 

――

 

 

「それでね、ここはるりのお気に入りの場所なの!ここにいると不思議と蝶が寄ってこないから」

 

俺はるりちゃんと揚羽さんに連れられて軽く屋敷の中を案内してもらった後、庭園と出ていた。相変わらず庭園では蝶が舞い、季節に合った花が咲きその蜜を吸っていた。そうして色々な所を回って、とある一角へと案内された。そこには花もなくただ草っ葉が生い茂るだけだったが…ふむ?確かに蝶の嫌がる匂いがココにはするな…ああ、なるほど。感覚を開放してみると分かるな。屋敷に放し飼いになっている蝶が逃げないように、屋敷を囲う壁の上からは蝶が嫌がるフェロモンが出てる。ここはそのフェロモンを通す通り道で、どこからかその匂いが漏れて樹に付着して結界のようになっているってわけか。

 

「確かに不思議な場所だねえ。でもここならひらひら舞う蝶に気にせずにゆっくりできるかもね」

「そうそう!私が遊んでてもしょっちゅう飛んでくるし、払いのけようとしたら使用人の人に怒られるから嫌いよ!」

「そうなんですか?揚羽さん」

「え、ええ。あの蝶たちは全て父のコレクションですから。使用人の人たちはコレクションが傷つかないように気を張って作業していますわ」

「蝶のコレクションって…結構な量がお屋敷の壁一面にありましたよ?」

「あいつは強欲だからっ!どれだけ集めても満足できないのよ!!」

「ちょ、ちょっとるりちゃん。言葉遣い言葉遣い。女の子がそんな言葉を使ってたらダメだよ。癖になっちゃ
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