第四十四話 -大阪のダブルミステリー-
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したのかを聞いてみるとどうやら俺達があっていない唯一のメンバーが俺達と別れた後も合流していないとのことだ…って!?
――――――ボン!!!!
「ん?」「なんや?」「なに?」
「上だ!大阪城の屋根の上!!」
「ひ、人や!人が燃えてんぞ!…って龍斗!?」
俺は屋根を転がり落ちてくる人物が落ちてくるであろう場所に走りだし、天守台をやや駆け上がり受け止めた…ってあっつ!
受け止めた人物へ衝撃を与えないように着地して俺は火消しを行う…これは喉が焼けて声は出ないか…
「龍斗!無事か?…おっさん救急車や!」
「良し分かった!」
火は消えたが、彼の様子を見るにこのままだと呼吸できないで窒息してしまうな…って。
「なんや、何があった!?…って傘?」
言葉を伝えられない彼は渾身の力を振るって平ちゃんが持っていた傘を掴みそのまま…とはいかんよ?
「平ちゃん傘借りるよ?ここからは探偵に出来る事はない」
「な、なんやと龍…斗!?」
俺は蘭ちゃんの折り畳み傘を借りるとシャフトを10cmほどに切断した。彼の状態は気道熱傷の中でも上気道閉塞が起きている。マウストゥマウスじゃ、呼吸の確保は無理だ。粗っぽいけど、俺は中空となっているシャフトを彼の無事と思われる気道に突き刺した。
「お、おい!?」
おっと、熱傷による痛みのためにショックが起きないように軽いノッキングもかける。後は、心臓が止まらないように注意しながら人工呼吸を行う。肺胞の動きも新ちゃんたちに気付かれないように操作してね。
「た、龍斗…」
「オレ達に手伝えることはねえのか?」
残った傘の部分で俺の作業点に雨が当たらないようにしてくれている二人が言う。
「ごめ(ふー)ん、繊細(ふー)、なさぎょ(ふー)うだから。(ふー)救急(ふー)隊員に(ふー)上気道(ふー)閉塞(ふー)の説明(ふー)お願い。(ふー)手がはな(ふー)せない」
「わ、わかった」
それから10分後、救急隊員が到着して彼を搬送する事となった。運が良かったのは経鼻エアウェイの気道確保を得意とする救急救命士が居たこと、すぐに医師の許可が取れたことで俺の応急処置は終わった…が。
「ちょ、ちょっと!君も腕に首に…顔まで火傷してるじゃないか!救急車に乗ってもらうよ!」
「え」
「ホラさっさと乗る!」
そう言えば受け止めた時に火傷してたな…これは迂闊だった。紅葉になんて言おう…
――
あの後、俺は病院に連れ
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