第四十四話 -大阪のダブルミステリー-
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だけですよ」
いやあ、あれをちょっと古いだけというには語弊があるんじゃないかなあ。本家なんてちょっとした大学の敷地面積位はあるし。
「静華さんのテッチリかー。まあ今日の夜になればわかりますが…平ちゃんのお父さん、服部平蔵は俺の父緋勇龍麻と幼馴染みなんです。その関係で静華さんとは面識があって。その関係で料理も教えていたみたいですよ。それから、俺もそのテッチリを楽しみにしてます…これで小五郎さんの質問の答えになりません?」
「ほっほー!龍斗君はそこまで言うのならかなりの物なのか!こら俄然楽しみになってきた!!」
「私も楽しみになってきた!」
「ウチもそれを聞いて楽しみになってきました。緋勇の料理を教わりたいって人は世界中におりますけど、お店を持っていない彼らから継続的に教わるのは不可能やって有名なんです」
「へえ、なんか初耳かも」
「唯一の機会が彼らが雇われた晩餐会なんかのスタッフとして一緒に仕事をした時に助言を貰うことらしいんや。やから、ウチや小さい時から龍斗に教えてもらってきた蘭ちゃんは他の料理人を目指す人には垂涎の立場やって事なんやよ。もしバレたら探偵事務所に人が押し寄せるかもしれへんな?」
「もー!紅葉ちゃん恐いこと言わないでよー」
「あ、そう言えばな。今日大阪に行くいうたら…」
「えー、そうなの?それは…」
紅葉と蘭ちゃんはまた別の話題に移ったようだ。小五郎さんも新聞読みを再開したようだし俺も新ちゃんと雑談に興じるかな。
――
「ついたー!」
「久しぶりに来たなー」
「で?その剣道大会まではどうやって行きゃあいいんだ?」
「あ、それならはっと…平次兄ちゃんが教えてくれたよ。東尻行きのバスに乗って七つ目のバス停だって」
「ああん?次のバスは…って、30分も後じゃねえか!!待ってられるかよ、タクシーだタクシー!」
「ああ、毛利さん待ってもらえます?…ほら」
新幹線内で事件に遭遇することもなく、無事新大阪駅につき剣道大会が開催されている浪花中央体育館に向かうことになった。平ちゃんが教えてくれたバスは時刻表によればそれなりに待つという事でせっかちな小五郎さんはタクシーを選択しようとした…が。
「お待たせしました、お嬢様」
「いいえ、伊織。いいタイミングです…というわけで、目的地まではこのリムジンで移動しましょう」
「お、おおう。ありがとう」
「わあ!やっぱりお嬢様〜」
「もう!蘭ちゃんたらまたそないなこと言う…!」
「まあまあ。とりあえずお願いします伊織さん」
「はい。浪花中央体育館ですね?お任せください」
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