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名探偵と料理人
第四十三話 ‐オリジナル回‐
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ん…?」

 

待ち合わせ場所には母さんがいた…いや、よく見ればあれは母さんじゃないな。自然に立っているように見えるけど所々不自然な所作をしている…手を打ってるってあれかいな……しかも二人組にナンパされているし。

 

「なあ、いいじゃんいいじゃん?オレ達もヒマでおねーさんもヒマしてるんでしょう?なら決まり!オレら行きつけの楽しい店があるんだよ!」

「そうそう!他の女の子もいっぱいいるしぜってー楽しいぜ!あっという間に夜になっちまうくらい、時間を忘れてハイになれるんだ。な、な?はい、おひとり様ごあんなーいってね!」

「…だから。待ち合わせをしてるので」

「おー!待ち合わせの相手って女の子!?じゃあオレ達も一緒に待つよ。な?」

「もちもち!」

 

あー、なんだろう。どれだけ絡まれていたのか段々イラついてきてるな。変装用の記事のお蔭でまだ目立ってないが口角がひくついている…はあ、あの中に行きたくねえ。が。

 

「ごめんごめん。ちょっと待たせちゃったみたい?」

「ああ?」

「だれ、あんた?」

 

わー、なんでこうナンパ男ってワンパターンな反応なんだ…しかもこいつらの匂い…常習的に薬やってるやつかぁ…

 

「なになに?お兄さんが待ち合わせの相手?ダメだよー、こんな美人を待たせてちゃ。ここは早い者勝ちってことで今日は諦めてくれね?」

 

なんで待ち合わせ相手より初対面の奴が優先されるんだ?

 

「そうそう。またの機会ってことで…もうあんたの所には戻ってこないかもしれないけどねー?」

 

おうおう、中々危ないこと言ってくれるね。薬の匂いといいこの物言いと言いめんどくさい奴らに関わっちゃったな。うーん……うん?シャロンさん?

 

「もーう、たっくん!お母さんを置いてどこ行ってたの!?」

「え」

「「お、お母さん!?」」

 

あー、これは乗った方がいいのかな?

 

「全く…ちょっと目を離すとこうなるんだから。お兄さん方も流石に家族団欒の邪魔は勘弁してくれないですかね…?会うのは半年ぶりなんですよ…」

 

もうしわけ無さそうな顔をして、俺は鎮静作用のある香りを体から発した。若い女性をナンパしていると思えばこんな大きな子供を持った母親だったという事を知った驚愕による意識の空白に滑り込むように起きた精神の鎮火。大柄な人間が申し訳なさそうにしている表情と声。夜ならばもうちょい仕込まないと上手くいかなかっただろうけど今は昼前。これが合わされば……

 

「お、おう」

「しゃーないな。お袋さんを楽しませてやんな」

 

2人はそう言ってまた別の獲物を探し始めた。子
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