第二章
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「それで親達に贅沢させてやってくれ」
「有り難き幸せです、では」
「うむ、すぐにその森に行こう」
領主は少女に褒美を渡しそれを親達に届けさせると彼等の礼を当然のことと返して少女と家臣達それに兵達を連れてだった。
そうしてユニコーンのいる森に入った、そのうえで少女を森の中に立たせて自分達は森の中に隠れたが。
ユニコーンは待てど暮らせど来ない、やがて真夜中になってだった。家臣の一人が領主に言ってきた。
「ロンギアヌス侯爵、これはです」
「うむ、今回はな」
侯爵は自身の来い茶色の髭に手をあてつつその家臣に応えた、皆今も森の木々の中に隠れてユニコーンを待ち少女を他の獣達から守っている。
「出ぬか」
「ユニコーンは夜行性でしょうか」
「そうした話は聞いていないが」
「では」
「うむ、仕方がないな」
「今日は帰りますか」
「そうしよう、娘にはご苦労だったと言おう」
こう言ってだった、少女に自分から声をかけて彼女を連れて共に森を後にした。そしてそのうえでだった。
また次の機会に少女を森の中に入れてユニコーンを待った、だがその時もまたその次の時もであった。
ユニコーンは来ない、領主はこのことに首を傾げさせて言った。
「ユニコーンは確かにだ」
「はい、乙女が好きでしたね」
「清らかで美しい乙女が」
「そう聞いています」
「どの書にもそう書いています」
家臣達も主に答えた。
「ですがそれでもです」
「ユニコーンは出ません」
「何度あの娘と共に森の中に入りましても」
「それでも」
「これはどういうことだ」
領主は首を傾げさせたまま再び言った。
「これは」
「わかりません」
「まさか所書にあることは誤りだったのでしょうか」
「ユニコーンは実は乙女に興味がないのでしょうyか」
「実は」
「わからん、しかしな」
ここでまた言った領主だった。
「私は諦めない」
「ならですね」
「再びですね」
「あの娘と共に森の中に入りますか」
「そうしますか」
「そうしよう、ただあの森にはエルフ達もいる」
この種族の者達もというのだ。
「エルフの領主とは話をしてあるが」
「それでもですね」
「彼等の領域ですし」
「あまり入ることは」
「長くいることは」
「やはりよくない」
こう言うのだった。
「お互いの領地は守らないとな」
「そうですね、しかしです」
「あの娘は我等の領地で最も清らかな乙女」
「その心までもが」
「それがどうしてでしょうか」
「ユニコーンは懐くどころか出て来ないのでしょうか」
「ここはだ」
領主はふと閃いた、それで家臣達にこう言った。
「一つエルフの領主に聞いてみるか」
「森のですね」
「あの方にですね」
「そうしよう、ユニコーンはあの森
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